前の人がかいたものを見て悩む大人をしりめに、「〇〇といえば?」の声かけに子どもたちは実にシンプルにいとも簡単に言葉をつなげていきます。
知りたいという好奇心、伝えたいという欲求など伝える行為になくてはならない「言葉」。言葉を覚えたての子どもが、伝わる喜びを体いっぱいに表現する様子は、まさに新たな道具を手に入れた瞬間なのです。「言葉」を音としてリズムとして、風船のように膨らましたりパンッと割ったり、粘土のようにこねたりのばしたり・・手に入れた「言葉」という道具をオモチャの1つとして自由自在に巧みに遊んでいきます。
展示室を見終わり、自分が書いたものから、どんな言葉につながっていったのか確認しにくる姿を見ると、他人とつながること・つなげて考える事は難しい事ではなく、おもしろく・楽しく・新たな発見があることなんだ、と実感してくれているように感じます。
子どもたちにとっては難しいキーワード「カタストロフ」・「ブリコラージュ」・「シビックプライド」・・・なども大人が意味を押し付けるのではなく、まずは感覚で捉え、様々な方向からまったく別の発想をつなげる参加型のインスタレーション、まさに「言葉」を素材とした現代アートなのではないでしょうか?
1日の終わりの言葉を見ると、以外にも今日のキーワードとつながっていたりして、驚かされます。
そして、毎日つながる言葉をみていると不思議とよく出てくる言葉が見られます。「おかあさん」・「おとうさん」・「ごはん」・「うれしい」・・・もしかしたらこの中に最後のキーワードがあるのかもしれません。
会期中毎日「つながる!79のキーワード」大人も子どもも関係なく、あなたの心に浮かんだものを是非つなげていってください。
あいちトリエンナーレ2013アシスタント・エデュケーター 遠藤安子