あいちトリエンナーレ2013 イベントレポート

トリエンナーレスクールレポート「現代アートがムラとシマを変えた-越後妻有アートトリエンナーレと瀬戸内国際芸術祭の試み」

2013/01/17 18:03トリエンナーレスクール

 12月1日に、岡崎市図書館交流プラザにおいて、アートディレクターの北川フラムさんをゲストにお迎えし、「現代アートがムラとシマを変えた-越後妻有アートトリエンナーレと瀬戸内国際芸術祭の試み」をテーマとして、トリエンナーレスクールを開催しました。
 あいちトリエンナーレ2013では、岡崎市を新たな会場にすることから、今回は名古屋市以外で、初めてトリエンナーレスクールを実施したものです。

 まず、進行役である五十嵐太郎芸術監督が、「北川さんは、越後妻有アートトリエンナーレや瀬戸内国際芸術祭のディレクターを務められ、今まで様々な試みを展開されている。特に美術館を飛び出し、地域とアートとのつながりという新しいジャンルを切り開いてきたことは、『まちなか展開』を行うあいちトリエンナーレにおいても学ぶことが多い」などと紹介しました。

 

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アルフレッド・ジャー仙台視察/Alfredo JAAR visiting Sendai

2013/01/08 09:42アーティスト

*English follows to Japanese.

 

 チリ生まれ、ニューヨーク在住のアルフレッド・ジャー氏(Alfredo JAAR, 1956-)が、自身の作品制作のために、昨年12月10日に来日して名古屋の展示会場の下見と、仙台に足を運び被災地を視察しました。

 

 ジャーは、私たちの記憶と悲惨な出来事のあいだに横たわる複雑な関係を、緻密で力強い作品によって表現するアーティストです。例えば、民族紛争や虐殺といった社会的な関心を集める事件をめぐって、どのようなイメージがやりとりされ、それが何を示しているのかについて鑑賞者の関心を向けさせるなど、入念なリサーチを必要とする作品が多いのも特徴です。今回も、地震が多いチリ出身であるゆえに東日本大震災についてかなり下調べをしたうえで来日しました。

 

 石巻市では、キュレーターである住友文彦さんと東北大学大学院の吉川彰布さんとともに、同市内にある宮城県最大の仮設住宅地を見学しました。
 ジャーは、いまだに仮設住宅での生活を余儀なくされている方々が大勢いることに驚きを隠せない様子でした。さらに、彼は建築家であるのでそのコストとデザインについて強い関心を寄せていました。その関心は、設置を委託されている業者について、公正なお金の使い方をされているのか、といった面にまで向かっていました。本当に復興を支援するのであれば、そこで生活している人が快適に過ごせるようなデザインがもっと考えられる必要があるのではないかと考えたようでした。

 

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