5月26日(土)に、愛知芸術文化センターにて、
森美術館アシスタントエデュケーターの白木栄世さんをゲストにお迎えし
「作品との対話について」をテーマとして、
美術館におけるエデュケーション(教育普及)について、
実例を挙げながらお話いただきました。
白木さんのお話に先立ち、
進行役の住友文彦さん(あいちトリエンナーレ2013キュレーター)から
キュレーターチームがふだんどのようなことを考えて、トリエンナーレの準備を
進めているかということなども、スクールの場を通じて伝えていきたい
とのお話がありました。
さて森美術館では、エデュケーション活動をパブリックプログラムと表現し
ギャラリーツアーや、こども向けツアー、学校プログラム、
視覚障害者への鑑賞ツアーなどを開催しているそうです。
そのうち今回は、森美術館で開催していた
韓国の女性アーティスト「イ・ブル」展(会期:平成24年2月4日~5月27日)における取組を中心にお話いただきました。
社会性の強い「イ・ブル」作品については、
時代性、社会的背景、作家の出身、育った環境、過去からの作品の流れなどの情報をまとめ、アーティストやキュレーターとも情報を共有して
鑑賞者に作品の情報を伝えているとのお話でした。
「教育」という言葉の印象だけでは、学校の授業のように先生と生徒
という関係で情報を教えるような印象がありますが、
森美術館のパブリックプログラムでは、鑑賞者とエデュケーターや
鑑賞者同士が同じ立場になって、作品について考えたり、
意見を共有するようなプログラムが行われています。
スタッフの他に、研修を受けガイドツアーを行うボランティアの
方々も活躍されているようです。
作品を見た時、それぞれの鑑賞者の体験や経験と結びつくことに
よって、「作品との対話」が生じます。
現代美術はわかりにくいと思われがちですが、今回の授業では作品
に近づくための鑑賞のポイントを教えていただきました。
たとえ、わからない作品があった場合でも、わからないということ
から、考えるヒントのきっかけになるのではないでしょうか。
作品を鑑賞する体験は、言葉だけでおさめることのできない、体感
するという楽しみもあります。
講義終了後、会場の参加者からも質問や感想が飛び交い、有意義な意見交換
の場になりました。
このスクールの様子はユーストリームのアーカイブでご覧いただけます。
http://www.ustream.tv/recorded/22856334
次回のトリエンナーレスクールは7月7日(土)の開催です。
ぜひご参加ください。
詳しい情報はこちら
http://aichitriennale.jp/event/index.html