8月18日(日)、愛知芸術文化センターアートスペースGにて、パブリック・プログラム クロス・キーワード「ベロタクシーを利用したトリエンナーレの楽しみ方」を開催しました。ベロタクシーは、1997年にドイツで開発された自転車タクシーで、前回のあいちトリエンナーレ2010に引き続き、会場間をつなぐ移動手段として活用されています。今回のクロス・キーワードでは、ベロタクシーの運行を担う特定非営利法人HOMIES 理事長の高橋綾太さんを迎え、ベロタクシーを利用したトリエンナーレの楽しみ方を紹介していただきました。
高橋さんは、大学卒業後にアジア各国をバックパッカーとして旅行。その時に、タイのトゥクトゥクやベトナムの人力自転車などに乗ったことが旅行の重要な思い出となったことから、移動自体が旅の重要な要素と考えるようになったそうです。
その後、2005年の愛・地球博でボランティアとして活動したことがベロタクシーと出会うきっかけとなり、特定非営利活動法人HOMIESを立ち上げることに。起業までの経緯と2010年のあいちトリエンナーレでの展開を紹介しながら、国際芸術際が開催される都市においてベンチャー企業やNPOが誕生したり、大きく飛躍する可能性があることや、そこで生まれた文化が都市に根付き、都市の価値観を変化させていくきっかけをつくっていると話されました。
中盤には、あいちトリエンナーレ2013での運行情報や、ベロタクシーの構造、徹底したスタッフの事前研修、タブレットPCの搭載等、今年のベロタクシーのポイントを挙げられました。中でも、ベロタクシーの一番の魅力はコミュニケーションということで、個性的な運転手を紹介。乗車の際は、運転手との会話を楽しんでほしいそうです。「もし運転手の態度が悪い場合には、『高橋さんに報告しますよ』と言ってくださいね」と、会場の笑いを誘う場面もありました。
岡崎会場では、会場間の移動手段やトリエンナーレの広告塔としての役割に加え、ベロタクシーが乗車の待ち時間に地元の方々に声をかけられたり、乗車中にすれ違う方から手を振られたりと、コミュニケーションツールとしても大活躍しているそうです。
高橋さんのお話から、ベロタクシーには単なる移動時間を特別な都市体験に変えてしまう魅力があると感じました。ぜひ利用して、トリエンナーレを楽しんでいただけたらと思います。
(あいちトリエンナーレ2013アシスタントエデュケーター 福岡寛之)