みなさん、こんにちは。年度末の一番忙しい時期に関わらず、記者会見にお越しいただき、ありがとうございます。時間も限られていますので、お手元のプレスリリースをもとに説明をさせていただきたいと思います。
テーマは、既に発表していますとおり、「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」となっています。会期は、2016年から祝日となる8月11日から10月23日の74日間です。主な会場は、愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、名古屋市内のまちなか会場は、前回同様の長者町地区などが中心になるかと思います。それに加えまして、豊橋市と岡崎市の両市が今回の会場になりますが、どちらも地区はまだ決定していません。
展開としましては、現代美術を中心としたダンス、オペラといった舞台芸術を展開した総合的な芸術祭になります。美術館の中だけではなくて、まちなかでの展示やパフォーマンスも行いますし、期間中に全体に賑わいが創出されることを目指しています。また、後ほど触れますけれども、幅広い市民の層を対象にした普及・教育プログラム、多様な団体との連携事業、県内の広域展開を図った機会を作り出せるように努力をするつもりです。
それでは、具体的内容を現代美術、舞台芸術、普及・教育事業、連携事業の順にかいつまんで説明します。
まず、国際展ですけれども、規模的には前回同様に国内外から75組程度のアーティストが参加します。会場は、愛知県美術館を含む愛知芸術文化センターを中心とした先ほど説明しました会場、そして豊橋市、岡崎市の両市になります。テーマが「創造する人間の旅」なので、作品や作家のプログラムにおいても、それが何らかの形で取り入れられるだろうと思っています。国際展と並んで、映像作品も前回同様のプログラムで20組程度の参加を企画しています。両方合わせて、今回は10組の発表をいたします。
次に、舞台芸術ですけれども、まずパフォーミングアーツは前回同様に10組~15組くらいの団体が参加します。ダンス、演劇、音楽等をこの愛知芸術文化センターを中心に上演します。こちらでもテーマがある程度反映されるような内容になってくると思います。会期は、前回は会期中平均して上演されましたが、今回は会期の後半の3週間程度、特に週末を中心にして集中的に上演することを考えています。次にプロデュースオペラですが、今回は演目としてモーツァルトの「魔笛」(全2幕ドイツ語上演)、指揮はガエタノ・デスピノーサ、演出は勅使川原三郎さんで上演します。公演日は9月17日(土)、19日(月・祝)を考えています。
3番目に、普及・教育プログラムですが、前回同様に子どもや学生を対象としたものの他、幅広く一般の方々を対象にしたプログラムを実施いたします。創作プログラムや実際に展覧会を訪れて作品を鑑賞する鑑賞プログラム、参加しているアーティスト自身による解説トークや講座等も実施します。会場に来ていただくだけではなくて、アーティストが学校等に出向いて行う学校団体等向けのプログラムを今回も行う予定です。
4番目に連携事業ですけれども、これも前回と同じになりますけど、今回の出品作家15組程度による県内の施設を巡回するモバイル・トリエンナーレを行います。次の舞台芸術公募プログラムは、前回まで祝祭ウィーク事業と銘打たれていましたが、今回はこの名称で一般の応募企画から選考された地元文化芸術団体等との共催の舞台公演を行う予定です。期間は、9月23日から10月2日で、この愛知芸術文化センターを中心とした会場になる予定です。3つ目の芸術大学連携プロジェクトですが、今回は愛知県庁の大津橋分室という新たにオープンするスペースを使ったり、長者町地区の施設を使ったりして作品等の展示を地元芸術大学との連携によって行います。その他、地域の文化芸術団体や文化施設等との協力事業、あるいは前回もそうでしたが、多くのボランティアに支えられたサポート体制により会場の運営や、ガイドツアー、そして地域で活動するNPO等の協力によりトリエンナーレ全体を市民参加型で盛り上げて行くことを考えています。
以上が企画概要になります。
プレスリリースのページをめくっていただいて、これは前回の記者会見で発表したテーマ・コンセプトです。このコンセプトを今回の記者発表で、より具体的にお伝えすることを考えて、お手元にありますビジュアルブックを制作しました。見ていただくと分かると思いますが、コンセプトの内容とそれに触れる、関連するような文学、美術、音楽やダンスという広いジャンルからの引用を散りばめたコンセプトブックになっています。掲載されている写真は、私自身が撮影したもので、世界各地の風景、後半には今年の初めに訪れました花祭りの写真も入っています。この内容と連動する形で、今回ビジュアルのプロモーションビデオを制作いたしました。これには、美術家の山城大督さんが中心になって、作曲家の蓮沼執太さんとプログラマー林洋介さんが、旅を実感するような今回のあいちトリエンナーレのコンセプトを詩的に訴えらえるようなビジュアルプログラムを作っていただきました。今日初めて公開いたしますので、見ていただきたいと思います。
~コンセプトビデオ上映~
今公開しましたプロモーションビデオは、今後あいちトリエンナーレ公式WEBサイト等で一般公開します。
それでは、この内容を具体的に実施するに当たっての企画体制をご紹介したいと思います。プレスリリース8ページ、9ページに記載した12名の方々のうち半数の6名の方に本日出席いただいておりますので、順番に紹介させていただきます。国際展のチーフ・キュレーターの拝戸雅彦さん。映像プログラムのキュレーター越後谷卓司さん。パフォーミングアーツのキュレーターの藤井明子さん、同じく唐津絵理さん。プロデュースオペラのプロデューサーの水野学さん。チーフ・エデュケーターの伊藤優子さん。以上の6名に本日出席いただいております。
前回発表したとおり、公式デザイナーに永原康史さん。映像プログラムキュレーターに濱治佳さんが参加されます。そして、国際展のキュレーターチームに、ダニエラ・カストロさん、服部浩之さん、金井直さん、ゼイネップ・オズさんの4名が参加されます。ダニエラさんはブラジル人で、サンパウロを拠点にして活躍しているキュレーターです。ゼイネップ・オズさんはトルコの首都イスタンブールをベースに既に多くのキュレーションをされているキュレーターです。今回のキャラヴァンサライという旅をテーマに、広い世界を旅していく内容を実現するにあたって、南半球の方やヨーロッパとアジアを結ぶ結節点のトルコからの参加が得られることで、より包括的なプログラムが組めるのではないかと思っています。
それでは、最後になりますが、今回発表するアーティストを順番に発表したいと思います。時間が限られていますので、映像に合わせて簡単に紹介をさせていただきます。
まず、*キャンディ・ファクトリー・プロジェクト / 北九州国際ビエンナーレ in 愛知。少し長い名称ですが、ユニークな活動をしている展覧会プロジェクトになります。次に、ジョヴァンニ・アンセルモ。今回発表するアルテ・ポーヴェラの代表的な作家で、今回発表する中では最年長になるかと思います。それから、ニコラス・ガラニン。アメリカのアラスカ州生まれの作家で、北米の先住民の芸術や伝統を取り入れた作品で知られています。三田村光土里さん、既に国内外で多くの作品を発表されています。西尾美也さん、この方も世界中で様々な布地や古着を使った大規模なインスタレーションで知られています。大巻伸嗣さん、岡部昌生さん、クリス・ワトソンさん。クリス・ワトソンさんはイギリスのシェフィールド生まれで、レコーディングアーティストといいますか、音楽家で世界中を旅行しながら音、特に自然や動物の音を録音してきた作家です。写真には、ワニを録音するクリス・ワトソンと書いてありますけれど、ワニの何を録音しているのかちょっと分かりませんが、きっと未知の世界を見せてくれるのではないかと思います。山城知佳子さん、沖縄県生れで那覇を拠点に活躍している作家です。以上が現代美術になります。
今回は、これにプラスして映像プログラムに映画監督の高嶺剛さん、高嶺監督も沖縄県生れですが、既に「夢幻琉球・つるヘンリー」や「ウンタマギルー」という傑作によって世界的に知られる監督になります。
パフォーミングアーツからは2組発表します。1組目のイスラエル・ガルバンは、スペインのセビリア生まれで、フラメンコ界では既に国際的な名声を得ている天才的なダンサーです。2組目の小杉武久さんは、60年代から前衛的な芸術をずっと続けていられるのですが、その長い経験をベースにして新しい世界を見せてくれるのではないかと思います。
プロデュースオペラは、先ほど申し上げた通り、モーツァルトの「魔笛」。これを勅使川原三郎の演出、ガエタノ・デスピノーサの指揮で上演します。
主な会場ですが、先ほど言いましたように、5つの地区が現在のところ開催地になります。豊橋市、岡崎市の具体的な会場は、これからリサーチを重ねて決定し、発表していきます。
少し駆け足になりましたが、以上が本日発表します開催概要になります。