ミロ・ラウ(IIPM) + CAMPO
『5つのやさしい小品』
- Photo: Phile Deprez
演出家、劇作家、映画監督、ジャーナリストとして活躍するミロ・ラウは、2007年より「政治殺人国際研究所(IIPM)」を主宰。現実に起きた凄惨な事件や歴史的事象を丹念に調べ上げ、舞台上に再構成している。加害者・被害者双方の証言や、当時のメディアによる記録をもとに編まれる作品群は、一種の再現告発劇であると同時に、明確に意図された政治性と美的強度によって、否が応にも観客に思考と議論とを促す。
ベルギー・ゲントの劇場CAMPOからの招きを受け、オーディションで選出した地元の子供たちとともに創作した本作は、初演以来、世界各地の演劇祭で多数の受賞を重ねる傑作であり、ラウの代表作でもある。90年代にベルギー社会を震撼させた少女監禁殺害事件をめぐり、当時の報道や証言を踏まえ、7人の子供たちが「再演」する舞台は、見るものの感情を激しく揺さぶる。社会の劇薬としての演劇は、 目を背けたくなるような出来事を、いかに現実の考察へと繋げられるのだろうか。
▼主な作品発表・受賞歴
2017 オランダ演劇祭(オランダ)、セレクション
2017 ベルギー演劇祭(ベルギー)、セレクション
2017 トレフェンフェスティバル、ベルリン(ドイツ)、3-sat賞受賞 2017 シアター・トゥデー(ドイツ)最優秀作品賞、最優秀ドラマトゥルグ賞受賞
2017 メスフェスティバル、サラエボ(ボスニアヘルツェゴビナ)、最優秀作品賞、 最優秀演出家賞、観客賞、批評家賞受賞
2017 ウブ賞、イタリア、2016/17シーズン最優秀外国作品賞受賞
2016 演劇・ダンス評論家賞(ベルギー)審査員特別賞受賞
2016 『Five Easy Pieces(5つのやさしい小品)』クンステン・フェスティバル・デザール、ブリュッセル(ベルギー)
Webサイト
https://www.campo.nu/en/production/1836/five-easy-pieces
ミロ・ラウ(IIPM)
- 1977年ベルン(スイス)生まれ
- ベルリン(ドイツ)拠点
スイス人の演出家、作家。2018/19シーズンからNTGent劇場の芸術監督に就任。パリで、ピエール・ブルデュー、ツヴェタン・トドロフのもと社会学を、ベルリンでドイツ語とロマンス語を、チューリッヒで文学を学ぶ。2002年以降、50以上の演劇や映画、本を創作するなど、様々な活動を行う。これまで、ベルリンのテアター・トレッフェン、アヴィニヨンフェスティバル、ヴェネツィア・ビエンナーレ、ウィーン芸術週間、クンステン・フェスティバル・デザールなど主要な国際フェスティバルに参加し、世界30カ国以上で発表している。
CAMPO
- 2008年設立
ベルギーのゲントを拠点とするアーツセンターCAMPOは、演劇、ダンス、パフォーマンスから、フェスティバル、地域食堂、討論にいたるまで多彩なプログラムを提供する。舞台作品の制作を手掛け、世界中で公演を行うほか、アーティストの創造活動を全面的にサポート。
CAMPO nieuwpoort、CAMPO victoria、CAMPO bomaの創作と発表のため3つの拠点をゲント市内に構える。CAMPO bomaは、「思いのこもった物質主義」(materialism with emotion)をモットーに活動する作り手のコレクティブONBETAALBAARの拠点にもなっている。
公演パンフレット
公演情報
地図
愛知県芸術劇場小ホール(B1)
所在地
愛知県名古屋市東区東桜1丁目13−2
愛知芸術文化センター 地下1階
バリアフリー
アクセス
・瀬戸線「栄町」駅下車 徒歩5分