現代美術(国際展)
展示情報
- 会場
- [栄会場]
旧明治屋栄ビル
寺田 就子
TERADA Shuko
1973年大阪府生まれ
京都府、岐阜県拠点
寺田は日常に溢れる透明・反射素材の器や文具、遊具を組み合わせながら、淡い光が細やかに行き交い、抑制された色彩が照り映える奥行き豊かな空間を創りだす。その小さきものへの愛着は、幼い日々の遊戯のような、親密な世界への無条件の没入を思いださせて懐かしい。また、構成の中心やアクセントとして登場する球形や円形が、作品全体に架空宇宙の縮減模型のような印象を授けていく。もちろん作品の核心は、幼少期の空想との近似ではない。むしろ重要なのは、寺田の制作が、今日可能なひとつの感受性の呈示となっている点である。作品の微細さは、その分、私たちの預かる空間の広がりでもある。その気づきこそ、彼女の作品にふれる喜びである。