現代美術(国際展)
展示情報
- 会場
- [康生会場]
岡崎シビコ
野村 在
NOMURA Zai
1979年兵庫県生まれ
東京都拠点
樹脂でできた立体に生じるヒビ、局所的な爆発によって広がる灰のカタチ、闇のなかから強い光を浴びて浮かぶモノ。野村の関心は、作為と無作為の境界に生まれる不確定な範囲を、彫刻あるいは写真という媒体を通して、精確にえぐり出すことにある。もちろんそこに生成と消滅をくりかえす自然と人為の隠喩を認めることも可能であり、深く振動するタナトスの気配を語ることも許されようが、むしろ重要なのは、緊張と弛緩のあいだの移行状態、言わば微気象の変動を、ひたすら観察・記録する野村の着想と造形である。彫刻というジャンルが宿し続けてきた可能性(時間との密接な関係と写真との親和性)を、今、更新する契機を、彼の作品のうちに見いだしたい。