映像プログラム
ジョルジュ・シュヴィッツゲベル
Georges SCHWIZGEBEL
1944年ルコンヴィリエ(スイス)生まれ
カルージュ(スイス)拠点
1965年ジェネーブ装飾美術大学を卒業。グラフィックデザイナーとして広告代理店に勤務し、友人らと共に3人でアニメーションの制作を始める。1970年に退社、彼らとGDSスタジオを設立。『イカルスの飛翔』(1974)が、世界中の映画祭で数多く受賞。制作の傍らジュネーブ大学で中国語を学び、1983年から1984年の間、上海の大学に留学。帰国後『78回転』(1985)を完成させ、再びアニメーション制作に重点を置いて活動。カナダ国立映画制作庁との共同制作『ロマンス』(2011)は、ジニー賞を始め多数受賞。
新作『魔王』(2015)は、馬を走らせて病気の子供を医者に診せようとする父親と、その子供、そして行く手を阻む魔王の三人の登場人物をベースに、この三者が作品の進行とともに複雑に入れ替わり、誰が被害者で加害者か、あるいは誰が正義で悪なのかが不分明になってゆく。混沌とした迷宮的世界が、彼特有の油絵を思わせるねっとりした画面の質感で描写されている。