2019年10月23日 その他
トリエンナーレスクール アンリミテッド ナイトディスカッション
第5回「思いやりってなに?」
ラーニングディスカッションプログラム
『トリエンナーレスクール・アンリミテッド・ナイトディスカッション』
第5回目「思いやりってなに?」(10/4(金)実施)
レポート
第5回は「思いやり」がテーマとなりました。
「思いやり」を英語に訳そうとすると、うまくピタッとくる言葉がなかなかみつかりません。「おもてなし」と同じように外から見たときの日本人像にはこの「思いやり」が含まれているように見えます。辞書で確認すると、遠くの人に思いを馳せること、他人の感情や事情を慮ることなどが出てきます。いったい私たちはどのように「思いやり」について捉えているのでしょうか。
司会進行の会田大也さん(ラーニングキュレーター)からはホテルマンの話が例として投げられました。いいホテルの従業員ほど口数が少ないといいます。全てを説明することは一見親切なようにみえて、わずらわしかったり、かえってわかりにくくなったりすることもあります。相手をよく観察し、必要なときにベストなタイミングで必要な情報を的確に提供する、といった振る舞いが身についているそうです。
そんな興味深い投げかけのあとは、いつものようにワールドカフェ方式のディスカッションを行いました。「思いやりってそもそも何なのか?」「相手のためを思ってとる行動が本当に相手にとって助けになっているのか?」「エゴではないか?」「自己満足になっていることはないか?」「思いやりに対して思いやりで返していることがある」など、一見耳心地が良さそうな「思いやり」が実はそうでないかもしれないという意見や、それでも「相手の状況や心情を想像することは大事なのでは」といった意見など、相反する意見も同じテーブルに乗せながら議論が深まっていきました。
ディスカッションを経て出てきた「思いやりとは」を説明するアイデアから選ばれたのは次の3つ。
1 対話を生むきっかけ
2 自分の体験の広さと深さに応じてできる相手への心の想像力
3 "無関心"以上、"愛情"未満
これらの3つについて再ディスカッションをした結果、最終的に今回のメンバーでの定義として決定したのは『"無関心"以上、"愛情"未満』でした。
相手を思いやるためにはまず、相手に関心を持つことが重要で、しかしそれが愛情を感じるほどの相手である必要はないというところで、思いやりを持つ「きっかけ・動機、モチベーション」として、『"無関心"以上、"愛情"未満』が適しているのではないか、ということでした。
次回は、いよいよ最終回!10月11日(金)、テーマは「分かるってなに?」です。
インフォメーション|
『トリエンナーレスクール・アンリミテッド・ナイトディスカッション』
毎週金曜日、16:00〜19:00(15:30より受付開始)
先着30名定員(途中参加、途中退場可能)
「アート・プレイグラウンド はなす TALK」(愛知芸術文化センター8階ロビー)にて
※「トリエンナーレスクール・アンリミテッド・ナイトディスカッション」とは。
2018年から開幕前まで月1回開催されてきた「トリエンナーレスクール」がかたちを変えて登場!ラーニングプログラムの1つである「アート・プレイグラウンド」の5つの拠点の中の「はなす TALK」にて、ディスカッションメインのトリエンナーレスクールを開催。
毎週金曜日に実施されるこのナイトディスカッションでは、「◯◯ってなに?」シリーズとして普段アートを語る上でよく使うけど、それって一体どんなこと?と聞かれたらすぐに説明できないような、そんな言葉について改めて考えてみることでどんな発見があるかをシェアしていきます。