2019年10月9日 

トリエンナーレスクール アンリミテッド ナイトディスカッション

第3回「見立てるってなに?」

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ラーニングディスカッションプログラム

『トリエンナーレスクール・アンリミテッド・ナイトディスカッション』

3回目「見立てるってなに?」(9/20(金)実施)

レポート

2019年9月20日(金)に第3回目の『トリエンナーレスクール・アンリミテッド・ナイトディスカッション』を開催しました。

今回のテーマは「見立てるってなに?」。

何かを見たときに「◯◯みたい」「あの雲◯◯っぽいかたち」など、私たちは自然と何かと何かを結びつけて例えて話していたりします。お寺の庭園にある枯山水は見立てを取り入れたものの代表格とも言えます。

私たちが「見立てる」とき、それは一体どんなことなのか、「見立てる」とはどういう意味を持つのかを考えていきます。

スペシャルゲストとして、名古屋盲人情報文化センター名古屋ライトハウスから、森幸久さんと武藤沙智さんをお招きしました。「全盲である森さんにとって見立てるとはどういった意味を持つんでしょう?」という司会進行役の会田さん(ラーニングキュレーター)からの問いかけに、「見立てはとても重要だと思います」と森さん。

触ることで世界を把握する人々にとって、『触れない』ものについて知ることはとても難しいことだと言います。そうしたときに、遠くの山がかまぼこみたいな形で、とか、真上に浮かんでいる雲はうさぎの顔みたいで、とか言ってもらえるとわかる場合もあって、世界が広がることにもつながるそう。

森さんの同僚である武藤さんは、晴眼者ですが普段から森さんはじめとして視覚に障害のある方と接する中で「みること」について改めて考えることが多いと言い、「見立てることは、私の視点を通して世界を伝えること。伝える過程で自分でも自分自身の世界の見方を改めて知ったり、驚きもある」と教えてくれました。

参考資料として、ヨシタケシンスケさんの絵本『みえるとかみえないとか』が会田さんから紹介され、見える人にとっての世界が全てではないことにも触れました。

ディスカッションには、森さんと武藤さんも加わってもらい、森さんの世界の見方、見え方について話したり、見立てることと共有すること、そして経験や人生背景についてを結びつけて考えを膨らませたりなど、どんどん議論が広がっていきました。

この日集まったメンバーで選んだ「見立て」についての説明は、『相手が知らないものを、相手が知っているものだけで再構成して、理解・想像させるコミュニケーション』に決まりました。

参加者からは、造形的なことだけに終始せず、ディスカッションが概念なども含めて発展できたのは、森さんと武藤さんと話せたから、という意見もあって、今回も充実した時間となりました。

インフォメーション|

『トリエンナーレスクール・アンリミテッド・ナイトディスカッション』

毎週金曜日、16:00〜19:00(15:30より受付開始)

先着30名定員(途中参加、途中退場可能)

「アート・プレイグラウンド はなす TALK」(愛知芸術文化センター8階ロビー)にて

※「トリエンナーレスクール・アンリミテッド・ナイトディスカッション」とは。

2018年から開幕前まで月1回開催されてきた「トリエンナーレスクール」がかたちを変えて登場!ラーニングプログラムの1つである「アート・プレイグラウンド」の5つの拠点の中の「はなす TALK」にて、ディスカッションメインのトリエンナーレスクールを開催。

毎週金曜日に実施されるこのナイトディスカッションでは、「◯◯ってなに?」シリーズとして普段アートを語る上でよく使うけど、それって一体どんなこと?と聞かれたらすぐに説明できないような、そんな言葉について改めて考えてみることでどんな発見があるかをシェアしていきます。