ロミオ

  • 《The Romeos》 2018、個展「Love Comes From the Most Unexpected Places」Trondheim Kunstmuseum、トロンハイム(ノルウェー)
    Photo: Aksel-Dev Dhunsi
    Copyright: Trondheim Kunstmuseum and Dora García

壁面に貼られた、まるでファッション雑誌の1ページ、または映画『オーシャンズ11』のようなスタイリッシュなポスターが貼られています。これは《ロミオ》という作品の一部です。今回の展覧会のため、2019年6月に愛知で撮影されたこのポスターの登場人物に、あなたは会場内で出会うかもしれません。彼らは会場内を時々歩き回り、来場者に礼儀正しく話しかけ、会話を楽しんだり一緒の時間を過ごしたりします。
彼らは、《ロミオ》というパフォーマンス作品を実演しており、世代や性別を問わず来場者に優しく敬意を持って近づくタスクを担っています。この作品のタイトルは、冷戦時代に東ドイツの諜報活動を指揮していたマルクス・ヴォルフが考案した戦略に着想を得ています。このパフォーマンスと冷戦時代の作戦の共通点はタイトルだけでなく、他人同士が本当の好意を抱く可能性にもあります。
こうした出会いが「仕込まれたもの」とわかっていたとしても、あなたはそれを運命と信じるでしょうか。たとえ相手が契約や仕事の一環としてあなたとの関係性を踏み越えてきたとしても、本物の思いやりや愛情が生まれ得ることを、ロミオたちは証明しているのです。

ドラ・ガルシア

  • 1965年バリャドリッド(スペイン)生まれ
  • バルセロナ(スペイン)/オスロ(ノルウェー)拠点
  • Photo: Bruno Dubner


映像やインスタレーション、パフォーマンス、演劇、ドローイングまで、幅広い形態で制作を展開している。彼女は、制度によって管理される環境に対し、例えば観客が傍観者でいられない、議論が巻き起こるような演劇的状況を作り出し作品とする。その空間にはしばしばパフォーマーが介在し、観客のあらゆるタイプの行動や意思決定と共に、作品に影響を与えたり変化を及ぼしたりする。アーティスト、作品、観客をめぐる関係性を探ることで、コミュニケーションの過程に焦点を当て、観客が批評的な意識で作品に関わる重要性を視覚化する。

主な作品発表・受賞歴

2018 個展「Segunda Vez」ソフィア王妃芸術センター、マドリード(スペイン)
2012 ドクメンタ(13)、カッセル(ドイツ)
2011 第54回ヴェネツィア・ビエンナーレ、スペイン館、ヴェネツィア(イタリア)
2008 第16回シドニー・ビエンナーレ「Revolutions – Forms That Turn」、シドニー(オーストラリア)
2007 ミュンスター彫刻プロジェクト2007、ミュンスター(ドイツ)

地図

愛知県美術館ギャラリー(8F)

所在地

〒461-8525
愛知県名古屋市東区東桜1丁目13−2
愛知芸術文化センター 8階

開館時間

10:00-18:00(金曜は20:00まで)
入館は閉館の30分前まで

休館日

月曜日(祝休日は除く)

バリアフリー

車椅子の無料貸し出しをしています。ご利用の方はインフォメーションまでお申し付けください。(各会場のバリアフリー対応状況は【こちら】

アクセス

・東山線または名城線「栄」駅下車 徒歩5分
・瀬戸線「栄町」駅下車 徒歩5分

問い合わせ

052-971-6111