未来を開封する

  • あいちトリエンナーレ2019の展示風景
    《未来を開封する》2019
    Photo: Ito Tetsuo
T05

自動化や人工知能(AI)は、豊田のような産業都市における労働状況にどのような影響を及ぼすでしょうか?我々人間の状態をどう変化させ、個人にとって労働はどんな意味を持つようになるのでしょうか?
こうした疑問が、普段とは違う特別な集まりにおいて話し合われました。豊田で自動車産業に携わる、工場やそれ以外の場で働く人々が一堂に会し、お互いの経験や、労働の未来・自動化・AIに対する期待について話し合いました。
話し合いに加え、労働に関する想像上のユートピアやディストピアについて、体の動きや音楽、パフォーマンスを通して表現されています。労働者が日々の労働で繰り返している作業から特定の動きを抜き出し、協働しながら振付けを作り出しました。創造的な活動をしてみるパートでは、彼らはアコースティック楽器の演奏に挑戦したり、作業着を解体し、洋服の製造過程を遡るような実験をしました。お互いの体から注意深く次々と生地を切り出していくことで、遊びのような、それでいて力強い解放の瞬間を作り出していたのです。
作品は、作家と参加者による実験的な共同作業によって生み出されました。

アンナ・ヴィット

  • 1981年ヴァッサーブルク(ドイツ)生まれ
  • ウィーン(オーストリア)拠点


幅広い社会階層の人々に関心を持ち、彼ら彼女らを取り込んだパフォーマンスや、映像インスタレーションを制作する。彼女の映像作品には、地域や企業といったコミュニティの成員や、通りすがりの人々が登場する。《Sixty Minutes Smiling》は、典型的な会社員を演じている人々が60分間ビジネス・スマイルをし続ける。また《Care》では、高齢化した地域で介護する側/される側の動作が集団的なダンスになる。政治や経済の論理で成立する社会システムを可視化し、その担い手としての人体の動きを強調することで、人間の自律性とは何かを問うている。

主な作品発表・受賞歴

2018 「つまずく石の縁 -地域に生まれるアートの現場-」アーツ前橋、群馬
2018 個展「Human Flag」ベルヴェデーレ21、ウィーン(オーストリア)
2010 第6回ベルリン・ビエンナーレ「What is waiting out there」ベルリン(ドイツ)
2008 マニフェスタ7「Principle Hope」ロヴェレート(イタリア)

地図

豊田市民ギャラリー

所在地

〒471-0025
愛知県豊田市西町5丁目5

開館時間

10:00-18:00
入館は閉館の15分前まで

休館日

月曜日(祝休日は除く)

バリアフリー

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アクセス

・名鉄「豊田市」駅下車 徒歩5分
・愛知環状鉄道「新豊田」駅下車 徒歩7分
・名鉄バス「豊田市」下車 徒歩5分

問い合わせ

052-971-6111