Synchronized Cherry Blossom
- あいちトリエンナーレ2019の展示風景
《Synchronized Cherry Blossom》2019
Photo: Kenji Morita
この会場には、3つの作品が展示されています。《君之代》では、1895年から50年間に及ぶ日本統治時代に国家教育を受け、日本語を話すことができる 台湾のお年寄りへインタビューを行っています。《ずっと夢見てる》では、深夜に公共の場で眠る酔客へ、グローバル企業のロゴが記された布をかけていく様子が記録されています。《Synchronized Cherry Blossom》は、今回のあいちトリエンナーレのための新作です。1964年東京オリンピック開会直前、世界初の高速鉄道・東海道新幹線の開業を機に、全国的に知られる名古屋の名物となった和菓子のういろうを、花びら型に成型し、満開の桜を表現しています。
3つの作品はそれぞれ独立しながらも、相互に呼応しています。私たちはこれらの作品を通じて、たとえば国家と歴史について考えたり、大義と自己犠牲について議論することができるでしょう。「作品が作者の主張を代弁するというよりも、 多様な解釈や議論を生み出すきっかけとして、その中心に作品があるのだ」と作家は述べています。
毒山凡太朗
- 1984年福島県生まれ
- 東京都拠点
2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故によって、故郷である福島の状況が一変したことをきっかけに作品制作を開始。忘れ去られた過去の記憶や場所、現代社会で見えにくくなっている問題や事象を調査し、映像やインスタレーションを制作している。ある問題に対し、現地に赴いて当事者の声を聞き集め、そこに毒山自身が介入することによって成り立つ作品は、何が起こるか予測不能な現代において、ふとした瞬間に誰もが当事者たり得る可能性を観客に投げかける。過去と向き合い、何が残されているか、あるいは残されていないかを検証することで、歴史からこぼれ落ちる人々の記憶や感情、そして、今後埋もれていってしまうかもしれない現実へも光を当てる。
主な作品発表・受賞歴
2019 | 「六本木クロッシング2019展:つないでみる」森美術館、東京 |
2018 | 個展「Public archive」青山目黒、東京 |
2018 | 「Assembling」K11 Art Mall、瀋陽(中国) |
2017 | 「黄金町バザール2017–Double Façade 他者と出会うための複数の方法」黄金町エリア、神奈川 |
2016 | 個展「経済産業省第四分館」経産省前テントひろば 反原発美術館、霞が関、東京 |
地図
メゾンなごの808
所在地
愛知県名古屋市西区那古野2丁目8-11
(円頓寺本町商店街内)
開館時間
入館は閉館の15分前まで
休館日
バリアフリー
アクセス
・地下鉄桜通線「国際センター」駅下車 徒歩7分
・名古屋駅より徒歩10分