MISSING PIECE

  • あいちトリエンナーレ2019の展示風景
    《MISSING PIECE》2019
    Photo: Ito Tetsuo
S07

巨大な壁画には、四人の人物が肩を寄せ合って集まっている様子を中心に、周囲には威厳のある建築物、雲の浮かぶ空、はためく旗、階段の上に置かれた巨大な手、水面に沈むまたは浮かぶ太陽にも見える円形の物体などが描かれています。
MISSING PIECEというタイトルは、失われた欠片という意味ですが、肩を寄せ合う人々は失った何かを嘆くようにも見えますし、補い合おうと協力しているようにも見えます。作家はこれまでも手に目や鼻が描かれる「手君(てくん)」というモチーフを繰り返し描いてきましたが、この作品の中には明確な形では描かれていないにせよ、手というモチーフは下部左右の巨大な手だけでなく、人物の足もまるで手のごとく大地をつかむかのように描かれています。
壁画が描かれる壁そのものにも、かつてこの場所に別の建物がくっついていた痕跡が残されています。この場所で連日、音楽のライブが行われることを考えると、このタイトルには欠けた場所に新たな生命が吹き込まれていくことを暗示しているかのようにも思えてきます。

鷲尾友公

  • 1977年愛知県生まれ
  • 愛知県拠点
  • Photo: Akihito Mizukami


独学で絵画を学び、イラストレーション、グラフィックデザイン、アニメーション、写真、オリジナルモチーフの「手君(TEKUN)」を用いた立体物やファッション、屋内外での壁画など、メディアや手法を限定せず多彩な作品を制作。音楽やストリートカルチャーに精通し、日常から地続きの世界を遊び心ある筆致で描いている。近年は、自主企画「インベーダーラダトーム」などを主宰し、様々なジャンルのアーティストたちによるコラボレーションを生み出している。今回、四間道・円頓寺で行われる音楽プログラムのステージに「情の時代」をテーマとした大作の壁画を制作する。

主な作品発表・受賞歴

2019 個展「TEKUN WAS HERE」THE LITTLE HUT、台北(台湾)
2016 個展「鷲尾友公のWILD THINGS」アートラボあいち長者町、愛知
2016 「ACG Exhibition: Art Court Frontier 2016 #14」アートコートギャラリー、大阪
2016 「Very Addictive Re-Extension of Aesthetics in Daily Life」銀川当代美術館、銀川(中国)
2015 「MAKURI HIROGERU EN LA HABANA」CASA DE ASIA、ハバナ(キューバ)
2014 「粟津潔、マクリヒロゲル 1『美術が野を走る:粟津潔とパフォーマンス』」金沢21世紀美術館、石川

地図

円頓寺駐車場

所在地

〒451-0042
愛知県名古屋市西区那古野1丁目11-7
(円頓寺商店街内)

開館時間

12:00-20:00(金曜は21:00まで)

休館日

月曜日(祝休日は除く)

バリアフリー

各会場のバリアフリー対応状況は【こちら】

アクセス

・地下鉄桜通線・鶴舞線「丸の内」駅下車 徒歩9分
・地下鉄桜通線「国際センター」駅下車 徒歩9分
・名古屋駅より徒歩13分

問い合わせ

052-971-6111