葛宇路
あいちトリエンナーレ2019の展示風景
《葛宇路》2017
Photo: Takeshi Hirabayashi
S05
「葛宇路」と書かれた交通標識があります。"路"というのは、中国では道や通りを示す語であるため、通りの名称を示しているかのようです。しかしこの「葛宇路」というのはこの作品をつくった作家自身の名前であり、作品のタイトルでもあります。
北京市内の無名の道路に、作家が自分の名を表した標識を設置したところ、そのまま数年間にわたって撤去されないどころか、実際に中国のGPSを使った地図サービスに反映され、宅配便の送り状などにもその名前が掲載される ようになりました。その後、一般人の彼が起こしたこの行動がインターネットやテレビニュースを通じて知れ渡り、中国当局によって標識は撤去されました。さまざまなメディアに残された記録が当時の様子を物語ります。
ちなみに、日本においても地図を提供するサービス企業は調査員が街を歩いて表札や看板を目視し、自社の地図へ反映させています。
葛宇路(グゥ・ユルー)
- 1990年武漢(中国)生まれ
- 北京(中国)拠点
湖北美術学院影像媒体芸術系卒業、中央美術学院実験美術学修了。公共空間における個人の抵抗を題材に作品を制作する。《葛宇路》は、作家の名前の末尾が「路」であることを利用して、北京市内を通る複数の名もなき道路に自身の名前を命名。道路名を示す案内標識を勝手に設置することによって、2015年中頃には中国のオンライン地図サービスが次々と「葛宇路」を道路の正式名称として登録した。公共とは誰のものか。そこではどのような目的でどのような機能が存在し、どうやって管理されているのか。世界はどのように形作られ、そこへの私たちの参加はいかにして認められるのか。事の顛末を追体験することで、鑑賞者は掴みどころのない「公共のメカニズム」に触れる。
主な作品発表・受賞歴
2018 | 東アジア文化都市2018金沢「変容する家」石川 |
2018 | 「第1回無界藝術季」扉美術館、広州(中国) |
2018 | 「中国現代美術年鑑展」北京民生現代美術館、北京(中国) |
2017 | 第4回美術文献展「応用場/Stress Field」湖北美術館、武漢(中国) |
2016 | 第3回CAFAMビエンナーレ「Negotiating Space: I Never Thought You Were Like That」中央美術学院美術館、北京(中国) |
地図
円頓寺銀座街店舗跡
所在地
〒451-0042
愛知県名古屋市西区那古野1丁目20-2
愛知県名古屋市西区那古野1丁目20-2
開館時間
12:00-20:00(金曜は21:00まで)
入館は閉館の15分前まで
入館は閉館の15分前まで
休館日
月曜日(祝休日は除く)
バリアフリー
各会場のバリアフリー対応状況は【こちら】
アクセス
・地下鉄桜通線・鶴舞線「丸の内」駅下車 徒歩8分
・地下鉄桜通線「国際センター」駅下車 徒歩9分
・JR・名鉄・地下鉄「名古屋」駅下車 徒歩14分
・地下鉄桜通線「国際センター」駅下車 徒歩9分
・JR・名鉄・地下鉄「名古屋」駅下車 徒歩14分
問い合わせ
052-971-6111