本当に存在する架空のジャンル
- あいちトリエンナーレ2019の展示風景
《本当に存在する架空のジャンル》2019
Photo: Takeshi Hirabayashi
ここで上映されているのは、音楽のジャンル名とそのサウンド、そしてそれらの文化を表象するグラフィックです。代表的なプレゼンテーション用ソフト「Microsoft PowerPoint」で作成されています。この映像は『世界を変える曲』というワークショップ*を元にしたプロジェクトの一環として作られました。
これらの音楽ジャンルが実際にレコードショップや音楽雑誌などで見つかることはないかもしれませんが、作家が想像した「あり得たかも知れない架空のジャンル」と言えます。
美術や映画、ファッションなど各種表現の分野においてもジャンルというものが存在します。各ジャンルにはコンセプトや表現の形式があり、時代と共に変遷し影響し合っています。これらを時系列に並べ、関係性を記述した場合は、歴史的な文脈を読み解くこともできます。特に商業と結びつきやすい音楽においては、オーディエンス、つまりファンであると同時にお金を支払ってくれる大切な顧客を創り出すためにジャンルが重視されますが、プロ/アマ問わず、広く音楽を愛する人たちは、それほどこだわりがない場合も少なくありません。
*あいちトリエンナーレ2019においては、9月上旬にワークショップとパフォーマンスを実施
洪松明(ソンミン・アン)&ジェイソン・メイリング
洪松明は音楽、ポップカルチャー、日常をめぐる美術作品の制作を行う一方、ジェイソン・メイリングは社会のなかの様々な出合いに応じて進化するプロセス重視のパフォーマンスを行っている。2017年から二人に共通するポップ・ミュージックへの愛情を満たし、「アマチュアであること」の文化的な重要性を掘り下げる方法についてコラボレーションを開始した。《A Song To Change The World》というタイトルで括られたプロジェクトは、不可能な課題を永続するパフォーマンスであり、その生成的なプロセスにおいて、「世界を変える歌とはどのようなものか?」という一見単純なようでひどく難解な問いを投げかける。無益であること、疑い、真剣な大望のいずれをも前向きに受け入れながら、彼らは一連のワークショップ、レクチャー、パフォーマンスに人々を招き、参加者の使命を助けるため、共に活動を行っている。
2017年シンガポールにてコラボレーションを開始。
主な作品発表
2018 | Festival of Live Art、メルボルン(オーストラリア) |
2018 | 「Exceptions of Rule: Counterpoints to Truth」ADMギャラリー、南洋理工大学、シンガポール |
洪松明(ソンミン・アン)
- 1980年シンガポール生まれ
- ベルリン(ドイツ)/シンガポール拠点
主な作品発表・受賞歴
2017 | 「The Meantime」フォーリンデン美術館、ワッセナー(オランダ) |
2016 | 「The World Precedes The Eye」インスティテュート・オブ・ コンテンポラリー・アート・シンガポール、ラサール芸術大学、シンガポール |
2015 | 第14回イスタンブール・ビエンナーレ「SALTWATER: A Theory of Thought Forms」イスタンブール(トルコ) |
ジェイソン・メイリング
- 1973年クライストチャーチ(ニュージーランド)生まれ
- メルボルン(オーストラリア)拠点
主な作品発表・受賞歴
2018 | 「Vanitas」メルボルン墓地、メルボルン・ ライターズ・フェスティバル、メルボルン(オーストラリア) |
2017 | 「Greater Together」(Field Theoryとして参加)オーストラリア現代美術センター、メルボルン(オーストラリア) |
2014 | 個展「The Physician」ウェリントン市立美術館、ウェリントン(ニュージーランド) |
地図
なごのステーション
所在地
愛知県名古屋市西区那古野1丁目23-9
開館時間
入館は閉館の15分前まで
休館日
バリアフリー
アクセス
・地下鉄桜通線「国際センター」駅下車 徒歩5分
・名古屋駅より徒歩13分