アフリカ:西洋のゴミ箱
- あいちトリエンナーレ2019の展示風景
《アフリカ:西洋のゴミ箱》2019
Photo: Ito Tetsuo
N12
白川公園の中にある名古屋市美術館は、周囲に園路が巡らされています。その園路沿いや美術館地下から外に出ることができるサンクンガーデンにに約40点のゴミ箱が新たに設置されており、これこそが今回出品されている作品です。袋にはアフリカ54カ国の国旗がプリントされ、一般に見かけるゴミ袋とは違って、とてもカラフルです。
カメルーン出身である作家は、西洋とアフリカの関係性を背景に作品を作り続けています。植民地時代から続く歴史の中で、宗主国より様々なことを押しけられてきたアフリカという存在について思いを巡らせると、このゴミ箱が象徴する局面へと想像が及びます。
この会場で回収されたゴミが直接アフリカへ行くことはありません。しかし、 「面倒なこと」が目に見えにくい場所へ遠のいてしまえばそれでよしとする考えが多いままならば、世界に溢れる様々な課題の根本的な解決は、いつになっても訪れません。
バルテレミ・トグォ
- 1967年ムバルマヨ(カメルーン)生まれ
- バンジョン(カメルーン)/パリ(フランス)拠点
アフリカ諸国と旧宗主国との関係、その間を移動する移民や商品について強い関心を抱き、水彩画、木彫、インスタレーション、写真、映像、パフォーマンスなどを制作する。《The new world climax》は、ハンコの形をした大きな木彫で、出入国の際にパスポートに押されるスタンプから着想を得たもの。《Welcome》は、一本の滝へと抜ける山道の途中に、大小様々な椅子を配置した野外インスタレーションで「移民や旅人がこの椅子に腰掛けて休むことができるように」という作家の思いが込められている。また2008年から、カメルーンのバンジョンにアーティストが滞在制作することができるアートセンター「バンジョン・ステーション」を設立し、運営に当たっている。
主な作品発表・受賞歴
2018 | 「Paradise Is Now Palm Trees in Art」サロン・ダルマン、ベルリン(ドイツ) |
2017 | 「A world view: The Tim Fairfax Gift」クイーンズランド州立美術館/ギャラリー・オブ・モダン・アート、ブリスベン(オーストラリア) |
2016 | 「Deluge」Carré Saint Anne、モンペリエ(フランス) |
2015 | 第56回ヴェネツィア・ビエンナーレ、トルコ館、ヴェネツィア(イタリア) |
2014 | 「An Afropolitan View」ウプサラ美術館、ウプサラ(スウェーデン) |
地図
名古屋市美術館
所在地
〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄2丁目17−25
芸術と科学の杜・白川公園内
愛知県名古屋市中区栄2丁目17−25
芸術と科学の杜・白川公園内
開館時間
9:30-17:00(金曜は20:00まで)
入館は閉館の30分前まで
入館は閉館の30分前まで
休館日
月曜日(祝休日は除く)、9/17(火)
バリアフリー
車椅子の無料貸し出しをしています。ご利用の方はインフォメーションまでお申し付けください。(各会場のバリアフリー対応状況は【こちら】)
アクセス
・地下鉄東山線・鶴舞線「伏見」駅下車 徒歩8分
・地下鉄鶴舞線「大須観音」駅下車 徒歩7分
・地下鉄名城線「矢場町」駅下車 徒歩10分
・地下鉄鶴舞線「大須観音」駅下車 徒歩7分
・地下鉄名城線「矢場町」駅下車 徒歩10分
問い合わせ
052-971-6111