五重塔/壷 ほか

  • あいちトリエンナーレ2019の展示風景
    《五重塔/壷》2008ほか
    Photo: Ito Tetsuo

こちらの展示空間には1点の新作、2つのインスタレーション作品を含む、合計13の陶芸作品が並べられています。一つ一つを見てみると、壺や器に対して、有機的な動植物や人工的な造形物が一体となっています。飛び立つ雁、五重の塔、桜、メロン、イカなど、荒唐無稽なものが伝統的な陶器や、その表面に描かれる絵付けと複雑に入り組んで融合しています。
陶芸を学び伝統的な技法を身に付けた作家は、その形態の面白さや組み合わせの妙味を追求して作品を制作しました。一目で陶芸であることが分かる明快さを示しながらも、今までだれも見たことのないユニークさとユーモアさを湛えています。

桝本佳子

  • 1982年兵庫県生まれ
  • 滋賀県拠点


京都市立芸術大学大学院陶磁器専攻修了。幼い頃より茶道に親しむなかで、実用的な役割を持たず飾られるためだけに作られた器に興味を持ち、器とそれを装飾するモチーフの主従関係を壊す形態の陶器を作り始める。《群雀/五枚揃皿》では、絵付けされた雀が皿から羽ばたく。《壷/トンネル》は、壺の真ん中を道路のトンネルが貫通し、ヘッドライトを点けた車が行き交う。《圧縮紋(武人埴輪)》は、人型の埴輪モチーフを壺の型にぴったりとはめて焼き上げ、表面的な装飾と本質的な用途が逆転してしまっている。彼女は、古くからある伝統的な技法を用いながら、現代的で柔軟な発想で既存の枠組みを越境していく。その自由な想像力を支える技芸は超絶技巧の域である。

主な作品発表・受賞歴

2018 Ascending Art Annual Vol.2 「まつり、まつる」スパイラル、東京
2017 アートフェア東京2017、村越画廊、東京
2013 兵庫県芸術奨励賞受賞、兵庫
2009 トーキョーワンダーウォール、東京、立体・インスタレーション部門大賞受賞

地図

名古屋市美術館

所在地

〒460-0008
愛知県名古屋市中区栄2丁目17−25
芸術と科学の杜・白川公園内

開館時間

9:30-17:00(金曜は20:00まで)
入館は閉館の30分前まで

休館日

月曜日(祝休日は除く)、9/17(火)

バリアフリー

車椅子の無料貸し出しをしています。ご利用の方はインフォメーションまでお申し付けください。(各会場のバリアフリー対応状況は【こちら】

アクセス

・地下鉄東山線・鶴舞線「伏見」駅下車 徒歩8分
・地下鉄鶴舞線「大須観音」駅下車 徒歩7分
・地下鉄名城線「矢場町」駅下車 徒歩10分

問い合わせ

052-971-6111