ラヴ・ストーリー
- 《Love Story》 2016、Featuring Alec Baldwin and Julianne Moore、第57回ヴェネツィア・ビエンナーレ、南アフリカ館、ヴェネツィア(イタリア)
Commissioned by the National Gallery of Victoria, Outset Germany + Medienboard Berlin-Brandenburg
Photo: Andrea Rossetti
Courtesy of Goodman Gallery, Kaufmann Repetto + KOW
《ラヴ・ストーリー》は、手前の展示室内の巨大なスクリーンと、奥の空間にある6つのモニターによって構成されている映像インスタレーションです。手前の部屋では、インタビューから抜粋・編集した難民*のストーリーが、俳優(アレック・ボールドウィン、ジュリアン・ムーア)によって再演されています。
*シャビーナ・フランシス・サベリ、マミー・マロバ・ランガ、サラ・エザット・マルディニ、ファラー・アブディ・モハメド、 ジョゼ・マリア・ジョアン、ルイス・エルネスト・ナバ・モレロの6名
プロの俳優が再演することにより、取材された当人の語りとはまた別の存在感が、効果的に生みだされています。奥の部屋にあるモニターには、6名の難民一人ひとりの実体験として、その逆境、脱出時の苦難、そしてたどり着いた現在の境遇について語っている様子が映されています。それぞれの人物のプロフィールについては、展示室内のハンドアウトで読むことができます。
全ての人々が、紛争、政治的な理由、宗教的な理由、ジェンダー・アイデンティティの問題など、様々な理由で祖国を出ざるを得ませんでした。登場人物の多くが、「まさか自分が、祖国から逃れる選択をすることになるとは思ってもみなかった」と口にします。
キャンディス・ブレイツ
- 1972年ヨハネスブルグ(南アフリカ)生まれ
- ベルリン(ドイツ)拠点
2007年からブラウンシュヴァイク美術大学の終身教授も務める。近年は、メディアが世界的に飽和した文化状況のなかで「共感が生み出される条件」に焦点を当て作品を展開。人々がセレブや架空の登場人物たちに強い共感を覚えるのと同時に、実世界で逆境に直面する人々に無関心である状況を、徹底して批評的に探求する映像三部作を制作してきた。《Love Story》(2016)、《TLDR》(2017)に続き現在取り組んでいる第三章となる作品でも、「アテンション・エコノミー」----情報過多の時代において人々の興味関心を惹くための技術・技巧が、情報の内容より重視されること----をテーマとしている。
主な作品発表・受賞歴
2018 | 個展 「Candice Breitz: Love Story」ボストン美術館、ボストン(米国) |
2018 | 個展「Candice Breitz: Sex Work」フリーダー・ブルダ美術館/サロン・ベルリン、ベルリン(ドイツ) |
2018 | FRONT International: クリーヴランド・トリエンナーレ、クリーヴランド(米国) |
2017 | 第57回ヴェネツィア・ビエンナーレ、南アフリカ館、ヴェネツィア(イタリア) |
地図
愛知県美術館ギャラリー(8F)
所在地
愛知県名古屋市東区東桜1丁目13−2
愛知芸術文化センター 8階
開館時間
入館は閉館の30分前まで
休館日
バリアフリー
アクセス
・瀬戸線「栄町」駅下車 徒歩5分