Gesture of Rally #1805

  • 《Gesture of Rally #1805》 (部分) 2018

写真に写り込んでしまっている正体不明の何かを、様々な角度から検証し、その結果を提示しています。検証といっても、科学捜査のように唯一の真実を求めるものではありません。「もしかしたら」という可能性をめぐり、荒唐無稽な仮説や、明らかな誤読も一緒くたにして示されます。
《Gesture of Rally #1805》は、「それっぽいもの」を際限なく増幅する装置です。写真作品というよりコンセプチュアルアートとも言うべきその作品によって、今後私たちの「写真を見る目」が変容してしまうかもしれません。
正体不明のもの、すぐに判別がつかないもの、理解できないものは、人を不安にさせることがあります。しかし、それらを簡単に白黒つけたり、排除したりしたくないと語る作家は、曖昧なまま、無理に答えを出さないことにこだわります。それは、歴史に登場して以降、世界中に生み出された写真というメディアが背負ってきた責任を、あらためて明らかにする姿勢でもあります。

澤田華

  • 1990年京都府生まれ
  • 京都府拠点


京都精華大学にて版画を学ぶ。印刷物や画像投稿サイトの写真に小さく写り込んだ正体不明の物体を、それが何か、様々な角度から検証する過程をインスタレーションとして作品化するシリーズを展開。撮影者が意図しなかったものまで写してしまう「機械の目」としての写真の性質を突く作品で知られる。さらに画像が生まれる過程で生じたエラーに目を向けることで、我々が普段多くの情報を得ているにもかかわらず、空気のように意識することのない「写真」というメディアの存在そのものに意識を向けさせる。また、画像に何かしらの意味を読み込んでしまう我々の認識自体を、作品を通じて批判的に捉えようとする意識が垣間見える。

主な作品発表・受賞歴

2019 群馬青年ビエンナーレ2019、群馬、奨励賞受賞
2018 個展「見えないボールの跳ねる音」Gallery PARC、京都
2017 写真新世紀2017年度 [第40回公募]、東京、優秀賞受賞
2017 1floor2017「合目的的不毛論」神戸アートビレッジセンター、兵庫

地図

愛知県美術館ギャラリー(8F)

所在地

〒461-8525
愛知県名古屋市東区東桜1丁目13−2
愛知芸術文化センター 8階

開館時間

10:00-18:00(金曜は20:00まで)
入館は閉館の30分前まで

休館日

月曜日(祝休日は除く)

バリアフリー

車椅子の無料貸し出しをしています。ご利用の方はインフォメーションまでお申し付けください。(各会場のバリアフリー対応状況は【こちら】

アクセス

・東山線または名城線「栄」駅下車 徒歩5分
・瀬戸線「栄町」駅下車 徒歩5分

問い合わせ

052-971-6111