・・・でも、あなたは私のものと一緒にいられる・・・
- 《... imaywanpas quidakuwakmi ... (... but you can stay with my stuff ...)》 2017
Photo: Arturo Kameya
Courtesy of the artist and GRIMM(Amsterdam/New York)
A07
手前の展示室には、無数の小さな陶製のオブジェが並び、奥の空間の映像と合わせて一つの作品を構成しています。
陶製の器、壺、とうもろこし、人間の手足といったオブジェは、作家が制作した人工物(人の手で作り出された土着的な工芸品)です。映像は、風景に似せた陶器の表面をカメラがなめるように移動し、そこにある人物のモノローグが重なっていきます。1200年以上前に犠牲となったその人物は、作家が人工物のリサーチをしている過程でたどり着いた実在の男性です。
ペルーは、文明の繁栄と滅亡が繰り返され、さらに海外からの征服者たちによって国境が何度も描き替えられた歴史を持ちます。また今日、世界中の博物館で見かける「植民地時代に略奪され冒涜されたそれ以前の文化が表されている遺物」は、植民地時代の一部分として展覧会に組み込まれてしまっています。
作家は、犠牲となった彼の人生を陶器の肖像として表し、一人の人間としての彼を映像で描き出すことで、彼を未来に生き永らえさせることにしたのです。
クラウディア・マルティネス・ガライ
- 1983年アヤクーチョ(ペルー)生まれ
- アムステルダム(オランダ)拠点
ペルーの歴史に関連した社会・政治的問題に関心を寄せて制作活動を行う。人々が生活で用いる道具やその使い方に、植民地主義がいかに影響を与えたかに着目し、その製造/保存/変容/流通のプロセスを問い直す。戦争やテロに利用された図像や、ヨーロッパが侵略する前の伝統的な南米の工芸品や儀式を思わせるモチーフを、複製/変形/解体/再構成した作品は、人々が歴史を解釈するために手がかりとするイメージがいかに戦略的に創造されたかを研究した結果である。彼女は戦争(戦後)、植民地化(脱植民地化)、記憶と追悼の関係を探求しながら、歴史を認識する(あるいはしない)瞬間の内にこそ、自作を位置づけたいと考えている。
主な作品発表・受賞歴
2018 | 第12回上海ビエンナーレ「Proregress—Art in an Age of Historical Ambivalence」上海当代芸術博物館、上海(中国) |
2018 | 第4回ニュー・ミュージアム・トリエンナーレ「Songs for Sabotage」ニュー・ミュージアム、ニューヨーク(米国) |
2015 | 第4回サンフアン・ ポリ/グラフィック・トリエンナーレ、サンフアン(プエルトリコ) |
2014 | 第12回クエンカ・ビエンナーレ、クエンカ(エクアドル) |
2011 | 「Art on the Go, Contemporary Collection of the Lima Art Museum MALI」サンパウロ州立美術館、サンパウロ(ブラジル) |
地図
愛知県美術館(10F)
所在地
〒461-8525
愛知県名古屋市東区東桜1丁目13−2
愛知芸術文化センター 10階
愛知県名古屋市東区東桜1丁目13−2
愛知芸術文化センター 10階
開館時間
10:00-18:00(金曜は20:00まで)
入館は閉館の30分前まで
入館は閉館の30分前まで
休館日
月曜日(祝休日は除く)
バリアフリー
車椅子の無料貸し出しをしています。ご利用の方はインフォメーションまでお申し付けください。(各会場のバリアフリー対応状況は【こちら】)
アクセス
・東山線または名城線「栄」駅下車 徒歩5分
・瀬戸線「栄町」駅下車 徒歩5分
・瀬戸線「栄町」駅下車 徒歩5分
問い合わせ
052-971-6111