新進気鋭のパフォーマンス・ユニットアニマル・レリジョンが豊橋入り!

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10月8日(土)~10日(月・祝)の三日間、豊橋公園にてパフォーマンスを行うのは、新進気鋭のパフォーマンス・ユニット、アニマル・レリジョン。メンバーのほとんどが30歳に満たない若いユニットだが、本国スペインで最も注目されている。

彼らによる「Chicken Legz」は、スペインのタレガフェスティバルでの上演時に高く評価された作品。世界中から再演をオファーされるも、これまではなかなか実現に至らなかったが、その国外初上演が日本のあいちトリエンナーレに決定した!

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アニマル・レリジョンの面々が9月26日から豊橋入りしているというので、本番直前の10月3日、会場となる豊橋公園に足を運んでみることにした。

当日は生憎の雨模様だったが、メンバーは傘も指さず自由に豊橋公園を散策。パフォーマンスと合わせてDJによる音楽と歌が入るのだが、音楽をかけて歌い、まるで遊んでいるよう。まるで友達同士で自由に遊んでいるかのような楽しげな雰囲気だ。

直径約20メートルの円形の柵で囲ったのがステージで、それを見下ろすようにDJブースが。背景には吉田城がそびえ、和洋折衷な雰囲気だ。来日メンバーは11人。この11人で舞台美術も、音楽も、パフォーマンスも全て行うという。

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そんな中、少しだけ作品を見せてもらったが……これは何と言えばいいのだろう。アクロバティックだがサーカスではなく、コミカルな展開は演劇でもミュージカルでもない。
牛に見立てたフォークリフトとそれをムチで操る人間、フォークリフトが持ち上げる板の上には次々に人が乗り歌いながら飛び跳ねる(本番ではフォークリフトの上にピアノを乗せて演奏なんかも!?)。
何より始まる前の空気感のまま、まるで遊んでいるような楽しさを保ちながら暗示に満ちたパフォーマンスが展開される。アクロバットに驚き、展開にクスっと笑う、ジャンルを分けようがないパフォーマンス。これはその場の空気と土と緑と匂いを感じながら見るしかない!

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チームの創設者であるキム・ジロンに話を聞いた。

――会場となる豊橋公園に来て感じたことなどあれば教えてください。
この場所にはたくさん木があって、石垣や石畳など石でできた建造物もあります。私たちが拠点とするヨーロッパとは全く違う雰囲気です。非常に湿度が高く暑くて、虫もいっぱい(笑)。しかしこういった環境も私たちの生活の一部になっていて、非常に好ましく思っています。そしてその環境は私たちの身体表現にも影響を与えています。

――パフォーマンスの中に、ハラキリやヌンチャクを扱うシーンもありましたが、日本、もしくはアジアを意識されたパフォーマンスを取り入れているのでしょうか。
この公園というだけでなく、豊橋という土地の文化にも影響を受けています。例えば、リハーサルを行う柔道場や、食事に出る豊橋の街中でも。エレクトロ・アーティストでもあるミュージシャンのメンバーは、街中で見かけたビデオゲームの“ティリンティリン”という音楽にインスピレーションを受けて音楽を少し変えています。日本人にもっと近寄って、日本の文化を取り入れることをとても楽しく感じています。

――以前に上演した「Chicken Legz」を、豊橋のこの会場に合わせて再構築していくということですが、試みたことはありますか?
前回は農場で上演したので動物も動物小屋も出てきましたが、豊橋公園には動物はいないので、作中に出てきた動物を何らかの形に変化させねばなりません。そこで、動物を作品のテーマである自然に置き換えようと考えています。私たちアーティストは人間ですが、本作ではまるで動物であるかのように演じます。動物の本能であるとか、生物の動きといったものを表現していて、人間と動物が混ざり合ったようなイメージです。

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日本の、豊橋の、そして会場である豊橋公園の空気に存分に触れ、そこからインスピレーションを受けて新たに作りあげられている「Chicken Legz」。公演初日となる10月8日(土)にどのような姿を現してくれるか。

最後にキム・ジロンより、観客の皆さまへのメッセージをもらいました。

「自分たちのショーの目的は、観客が心の底から本能的に楽しんでもらうということです。そういったすごくポジティブな観客というのは私たちにとってのプレゼントです。そのプレゼントがあるおかげで、私たちはパフォーマンスを続けていけます。ですから、本能的な動物のように楽しんで驚かせて頂けると嬉しいです」

難しいことを考えずに、次から次へと飛び出すパフォーマンスを楽しもう!

TEXT:小坂井友美

 

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