【子連れで、あいトリ!】
「キャラヴァンファクトリー」レポート

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唐突ですが、我が家には5歳と8歳の男児がいます。普段の遊びといったら、虫捕りに川遊びとアウトドアが中心。
そんな息子たちにも、「あいちトリエンナーレ」を体感してほしい!同時に、激しく動き回る息子たちとの美術鑑賞は、気疲れしてしまうと思うのも事実。美術館から足が遠のいている親御さんたち、心中お察しいたします。

さて、結論から言えば、そんな元気なちびっこがいても大丈夫。「あいちトリエンナーレ」では、小さなこどもがいる家庭でも気兼ねなく参加できる工夫やプログラムが用意されています。
そのひとつが、実際に作品を作ることができる「キャラヴァンファクトリー」。こどもはもちろん、大人だけの参加もOKです。実は、工作に苦手意識のある長男。人目が気になり、ワークショップなども好みません。ですが、工作にチャレンジしたいとの意思が芽生えた今、この機を逃してはならぬと、1時間コースの「『とことん』プログラム」に参加してきました。

●入場
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母である筆者、小学生の長男、未就学児の次男、3名とも参加無料です! ほか、材料費等もかかりません。会場は、愛知芸術文化センター12階、アートスペースG。この日は運よく、すんなりと入場できましたが、先着順とのことなので時間に余裕を持って出かけることをオススメします。部屋の中が見える作りとなっているので入りやすいです。中央には人工芝が敷かれ、ピクニック気分。椅子の高さも3種類ほど用意されています。

●制作スタート!
まずは、作品のテーマとなる3つのキーワードを決めます。キーワードを決めるのは、スマートボール。ボールの行く先には、「かばんに入る大きさ」「かっこいい」「かなしい」「直線」などの言葉が並びます。我がチームに課せられたお題は、「あつい」「みらい」「すごい」。

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長男 「亀、作りたい!」
母 「(いきなりキーワード無視か!)じゃあ、『あつい』はどうする?」
長男 「ん~……、亀が炎出して飛んでる!」

などのやりとりがあり、作品の方向性が決まりました。題して「うちの亀が大きくなった未来。炎を出して飛んでいます。すごい!」。こどもから出てくる発想に、キーワードをプラスしていく方式で進めました。

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作るものが決まったら、道具と素材を調達します。もちろん、素材を見ながら作るものを決めるという方法でも構いません。

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会場には、作品づくりのための素材や道具がたくさん用意されています。色とりどりのガムテームやビニールひも、段ボール、クラフト紙、古布に木片。グル―ガンや電動ドリルなども揃い、自由に使ってOK。ハサミは右利き、左利き用それぞれ、金属を切る特殊なハサミもありました。完成を想像しながら、あれこれ選ぶのも楽しいひとときです。

●発表!
できあがった作品がこちら!

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亀の頭は可動式という変に細かいことにこだわり、手足まで制作が追い付かず…。残念ながら、完成前に時間切れとなってしまいましたが、なんとかキーワードを盛り込むことができました。背中の炎は最後にあわててつけたので、亀が出しているというより燃えている感が否めませんが、そうした微妙なニュアンスもまた思い出のひとつ。

最後は、作品発表タイム。
各チームとも、キーワードと作品について簡単な発表をします。1時間もあると途中で飽きるかなと、こどもたちを見くびっていましたが、いやいや、まだまだやりたいご様子。作った作品は、会場に展示するか持ち帰るかを選べるので、持ち帰って続きを作ることにしました。

●最後に
この制作は、ひとり作業ではないところがポイントです。我が家は途中、兄弟ゲンカが発生。こうした衝突があってもなくても、コミュニケーションを取ることを必至とします。100%自分の思い通りにいかないこと、自分の意見を主張すること、人の考えを取り入れること。自身の仕事である編集作業に似ているなと感じました。また、マイナスなイメージのキーワードが出ても、それを否定せず、表現としてどう取り組むかということも大切です。いろんな思いを伝えたり、形にしたりする、あっという間の1時間でした。また、行こーっと!

●キャラヴァンファクトリー 『とことん』プログラム
対象:だれでも(未就学児は保護者同伴)
日程:土日祝(休館日は除く)の1日4回
ほか、『のびのび』プログラム、『いつでも』プログラムもあり。
プログラムの詳細はコチラ!

TEXT:石崎幸子

 

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