【アート初心者が行く!】あいトリNAVIスタッフが観た作品たち~名古屋編~
アート初心者であるあいトリNAVIスタッフが、今回初めてトリエンナーレの作品を見てきました。初心者の目線で感じたことをレポートしていきます。
まずは公式ガイドブックを片手に何を観ようかな……とリサーチ。表紙にもなっているジェリー・グレッツィンガーさんの作品「Jerry’s Map」はマストだと思い、愛知県美術館に行くことにしました。
愛知県美術館のフロアに着くとすぐ「Jerry’s Map」がそびえ立っていました。実際に見るとかなり大きく、ジェリーさんはこれを一枚一枚全て手描きで描いたのか……と驚かされます。近くで一枚ずつ見るとバラバラの地図が描かれていますが、これを全て繋げると壮大な“想像上の地図”が出来上がる。全体を観てから近付いてみると、ジェリーさんの芸の細かさがわかりますね。
そして、ジェリーさんの作品の向かいにはトリエンナーレのオフィシャルグッズ売り場も展開されていました。記念にポストカードとボールペンをゲット!
10階から続く11階の展望回廊には、田島秀彦さんの作品がありました。カラーフィルムとオーガンジーで仕切られた幻想的な空間。タイル、ミラー、陶器と、それぞれの仕切りに施されていたディスプレイにはひとつひとつ意味があるように思えました。
10階の順路を進む中、一番気になったのが三田村光土里さんの作品。小さな人形やぬいぐるみを日常の風景に配置し、独特な空間を描き出しています。モナリザのパズルの手前を見てみると、こんな言葉が。
『問題なのは 自分でつくりあげた自分らしさに振り回されてしまうことです』
う~ん。深い。他にもシュールなメッセージが所々に散りばめられていたので、足を運んだ方はぜひ全てのメッセージを見てみてください。くすりと笑えるメッセージから、考えさせられるようなメッセージがたくさんあります。
続いて、マーク・マンダースさんの作品。人間の形をした彫刻が出迎えてくれましたが、なんだか不気味……。でもじっくり観てしまう……。
順路を進んでいくと、犬のような動物の彫刻が。よく観れば宙に浮いています。それにしてもこの犬、どうやって浮いているんだろう……。
そして、公式ガイドブックにインタビュー記事が載っていた大巻伸嗣さんの《Echoes-Infinity》シリーズの作品へ。靴を脱いで入ると、真っ白な空間に一面の花が描かれていました。照明の使い方なども含めなんとも壮観な景色で、しばらくはその場にいたくなるほど。
ボランティアの方が教えてくださいましたが、こちらの模様はプラスチックの型に日本画の顔料を置いてあるだけなので、人が触ると滲んでしまうそう。作品の出口には、実際に作品に使用した顔料の残りをワイングラスに流しこんだものをディスプレイ。一つずつが色とりどりで綺麗でした。そして、会期の後半には作品の上を歩けるようにして、作品が崩れてゆく“儚さ”を体験できるそうです。完成した作品とはまた違う表情が見れそうなので、後半にもう一度来ようと思いました。(日にちはまだ未定だそうなので、詳しくは公式サイトでチェックを!)
他にも大巻さんの作品が見たいと思い、その足で損保ジャパン日本興亜ビルの作品へ。会場となる呉服町通りのビル前には、大巻さんが「夜の花」をイメージしてデザインしたプリウスがお出迎え。
靴を脱いで会場に入ると、そこは一切の光も通さない真っ暗闇。無音の空間に、時折ぼんやりとした光に照らされ風になびく一枚の巨大な布が現れました。暗闇の中、目をこらしてゆったりと浮遊する布を見ていると、なんだか水中にいるかのような不思議な感覚になりました。(こちらの作品ですが、暗闇のため撮影不可能でした……悪しからず。)
愛知県美術館の真っ白な作品と、こちらの真っ暗な作品。光と闇を表現したような相反する二つの作品は、是非ともあわせてご覧いただいてはいかがでしょうか。
ここらでちょっとブレイク!と思い、ガイドブックを見て気になっていた、高岳駅近くの「TRUNK COFFEE」へ。お洒落な店内で休憩するのもよさそうです。
アートってなんとなく敷居が高い……。難しそう……。と、今までは少し遠慮がちな筆者でしたが、何も難しいことは考えずに、少しでも気になった作品はどんどん足を運んでみるべきだ、と思いました。開催期間も折り返しとなってきたので、また初心者アート巡りをしてみようと思います!
TEXT:栗本 恵里