港芸術監督がゲスト登壇。制作中の作品裏話も披露した記者発表会

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アートラボあいち大津橋でトークイベント
6月11日からスタートした「アサヒ・アート・フェスティバル(AAF)2016」。オープニング記念として、6月18日、アートラボあいちにて記者発表会+トークイベントを開催。「あいちトリエンナーレ2016」の港千尋芸術監督が登壇しました。

トークイベントのタイトルは「場所の感覚—アートプロジェクトがひらく世界とのつながり」。港芸術監督の対談相手は、AAFネットワーク実行委員会事務局長であり、さいたまトリエンナーレ2016ディレクターの芹沢高志さんです。お互いが携わるアートプロジェクトの話を例に、土地に根ざしたアートプロジェクトの可能性などについて語りました。


AAFって?
AAFは、全国の市民グループやアートNPOとアサヒビールが協働して展開するプロジェクトです。各地で活動する小さな団体がネットワーク化されていくさまは、「とてもユニーク」と港芸術監督。あいちトリエンナーレ2106のテーマである「キャラバンサライ」を例に出し、「キャラバンサライも小さな場所。インターネットもない時代に、キャラバンサライによりネットワーク化された」と、AAFとの共通点を見出していました。
芹沢さんが「地域の記憶」を題材にした参加団体を紹介すると、場所の記憶を残すことについて語る港監督。その「残す」という作業を続けているのが、あいちトリエンナーレ2016の出品作家、岡部昌生さんです。港監督からは、制作中の裏話(※下記参照)も飛び出しました。

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“本を作る方法”を作る!
最後には、芹沢さんと港監督とで制作する「新しい形の本」の話題も。「書いて、作って、印刷して…。出版はこれでいいんだろうか。そうではない“本を作る方法”を作りたい」と芹沢さん。プロジェクトブック制作のために、クラウドファンディングを実施中です。
あいトリを楽しむヒントに繋がるキーワードが、随所に感じられた90分。こうしたイベントを通して、開幕まで気分を上げるのも楽しみのひとつです。

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◎あいトリ制作裏話◎
豊橋から北へとのびる古いトンネル内をフロッタージュする岡部昌生さん。たまたまトンネル工事作業の日と重なり、作業員から不審がられる一幕も。港監督がトリエンナーレのことを説明すると、「あぁ、アートですね!」と納得していただけたそうです。その間も、もくもくと作業を続ける岡部さん。ちなみに、その後、作業員の方が仕事をする姿は、岡部さんがフロッタージュする姿とほぼ一致したのだとか!

開催情報
アサヒ・アート・フェスティバル(AAF)2016
6月11日(土)~10月10日(月・祝)
会場:北海道から沖縄まで全国各地、韓国、フィリピン

http://www.asahi-artfes.net/

TEXT:石崎幸子

 

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