キッズ限定、特別プログラムで純和風建築・爲春亭を見学!
名古屋を代表する実業家であり、多くの美術品を集めた故・古川爲三郎さんの晩年の住まいが、
爲三郎記念館(古川美術館分館)として公開されています。
茶道を楽しむための数寄屋建築・爲春亭や、日本庭園、離れの茶室・知足庵など、
約80年の伝統が名古屋の中心で今も残されています。
爲三郎さんが愛した、この建築の粋とは?
庭園のせせらぎに耳を澄まし、畳の上でお抹茶をいただき、
子どもたちに楽しんでもらえる特別プログラムでご案内します。
爲三郎記念館(古川美術館分館)
Tamesaburo Memorial Museum
8.28.wed 14:00-16:00
- 定 員=20名(対象:小学3年生〜6年生)
- ガイド=林奈美恵(古川美術館学芸員)
- 設 計=不詳
- 施 工=森春吉
- 竣 工=1934年
- 住 所=名古屋市千種区堀割町1-9
今回のオープンアーキテクチャーは、キッズ限定プログラムです。開催場所は、古川美術館の分館である爲三郎記念館。子ども向けに、ゲーム感覚のワークショップ形式の見学会を行いました。
爲三郎記念館は、どの部屋でもお茶会ができる数寄屋造りの建物で、その数寄屋建築・爲春亭(いしゅんてい)、日本庭園、離れの茶室・知足庵(ちそくあん)から成り立っています。約80年前に建てられたお屋敷で、古川美術館の初代館長である古川爲三郎さんが103歳まで住んでいました。敷地は一般住宅が10戸は入るという広さで、現在は美術館と連動した展覧会やイベントなどに活用されていて、建物内でおいしいお茶やお菓子を楽しむこともできます。
そんな爲三郎記念館に、子どもたちが集まって来ました。受付を済ませ、大桐の間に集合します。今回は三つ折りのパンフレットに加えてワークショップで使うワークブックを渡しました。待っている間、子どもたちはワークブックの中身を見たり、パンフレットを声に出して読んだり、「なんであそこは山の形をしているの?」と質問したりと、興味津々です。
全員集まり、オープンアーキテクチャーが始まりました。まず古川美術館学芸員の林さんから爲三郎記念館についての説明があり、子どもたちは皆、真剣に耳を傾けていました。この大桐の間には、滝の水しぶきと、山と、蝶の模様が施された内装があり、室内にいながら山の中にいるような、自然を感じられる工夫がされているそうです。
説明が終わると、次は「図形さがし」のスタートです。これは、爲三郎記念館の中にある8つの図形を探して見取り図にチェックしていくプログラムで、ワークブック片手にチームで室内をめぐりました。狙い通り、子どもたちは上下左右の内装をよく観察しながら、複雑に入り組んだ爲三郎記念館を見学しました。意外と難しかったようで、スタッフにヒントを尋ねる姿も。探し終えたら、再び大桐の間で答え合わせです。林さんは、答えとともに、その図形がどういう意図を持ってそこにあるのかも教えてくれました。
観察しながら、複雑に入り組んだ爲三郎記念館を見学しました。意外と難しかったようで、スタッフにヒントを尋ねる姿も。探し終えたら、再び大桐の間で答え合わせです。林さんは、答えとともに、その図形がどういう意図を持ってそこにあるのかも教えてくれました。
次は子どもたちだけのお茶会です。古川美術館の東良さんと蓑川さんにお手前を披露していただきました。今回は冷たい抹茶を作っていただく氷出前。暑い日なので、という嬉しいご配慮でした。みんな初めてのお茶会に緊張しているのか、少し背筋が伸びています。蓑川さんにお茶の作法を教えてもらいながら、おそるおそるお茶とお菓子をいただいていました。
図形探しが終わったあと、一人ひとりに爲三郎記念館の好きなところを写真(チェキ)で撮ってもらっていたので、お茶会後に時間をとって、写真の内容と好きな理由を発表してもらいました。
図形探しやお茶会は、古い数寄屋建築の爲三郎記念館だからこそできた企画だと思います。子どもたちも楽しく過ごしてくれたようで、私たちスタッフにとってもとても充実した時間となりました。
(オープンアーキテクチャー推進チーム員 寺井真理 学生ボランティア 塩澤はるひ)