トリエンナーレスクール

  • 2012年度
  • 2011年度

2012年度(10月~13年3月)

トリエンナーレスクールとは

トリエンナーレスクールは、2013年のあいちトリエンナーレに向けて、現代アートを楽しみながら学ぶレクチャーシリーズ
第ー線で活躍するアーティストや専門家をお迎えし現代アートをもっと身近に、おもしろく感じられるプログラムです。

概要

※各プログラムとも、開始時刻の30分前から受付を開始し、整理券を配布します。先着順で受付を行いますので、定員に達した場合は入場をお断りすることがございます。

○「ビエンナーレがリヴァプール市へ与えたインパクト」

英国の小都市リヴァプールでは1999年のビエンナーレ創立以来、72カ国279人のアーティストが新作を制作するなど、短期間のうちに一躍文化都市へと変貌を遂げました。リヴァプール・ビエンナーレがどのようにして始まり、どのようにして市民に受けとめられ、リヴァプール市を変えていったのか。創立者で、芸術監督を10年務めた、ルイス・ビッグスがその経過を語ります。

日時2012年10月6日 (土) 14:00~15:30
会場愛知芸術文化センター12階 アートスペース A
講師ルイス・ビッグス(リヴァプール・ビエンナーレ元芸術監督/あいちトリエンナーレ2013キュレーター)
定員200名
参加費無料(申込不要)
ルイス・ビッグス
Lewis Biggs

1952年生まれ。テイト・リヴァプール美術館の館長を1990年から2000年まで務めた。リヴァプール・ビエンナーレを創立し、2000年から2011年まで芸術監督を務めた。2014年のイギリス国内で開催されるフォークストーントリエンナーレの芸術監督。現在、ロンドンを拠点にフリーランスのキュレーターとして活躍

○「原っぱと鉄の浮遊する粒子」

重い鉄を素材としながらも、その素材感を感じさせることなく、軽やかに浮かび上がるような場所や空間へと変容させる彫刻家青木野枝。そして、アーティストからの厚い信頼を受け、美術館も含めて美術の現場にも関わることの多い青木淳は、従来の建築スタイルを鮮やかに反転させてきた建築家。共同でプロジェクトも行ったことのある二人が空間の変容を語ります。

日時2012年11月9日 (金) 18:00~19:30
会場名古屋市美術館2階/講堂
ゲスト青木野枝(彫刻家/あいちトリエンナーレ2013出品作家)
青木淳(建築家/あいちトリエンナーレ2013出品作家)
進行役五十嵐太郎(あいちトリエンナーレ2013芸術監督)
定員180名
参加費無料(申込不要)
青木野枝
Noe Aoki

1958年東京都生まれ。彫刻家。東京在住。1983年武蔵野美術大学大学院造形研究科(彫刻コース)修了。
2000年芸術選奨文部大臣新人賞受賞。80年代初頭より鉄を素材に制作と発表を続ける。鉄板から溶断して切り出し、それを溶接して、つないで制作する。今年の秋に、名古屋市美術館と豊田市美術館で同時に個展(※)が開催される。

※ 青木野枝展:名古屋市美術館(10月20日~12月16日)、豊田市美術館(10月13日~12月24日)

青木淳
Jun Aoki

1956年神奈川県生まれ。建築家。東京在住。磯崎新アトリエ勤務を経て(水戸芸術館などを担当)、1991年に独立し事務所を設立。90年代後半からは公共施設を手がけ、2000年には青森県立美術館の設計コンペで最優秀賞を獲得する。奥行きがないことを逆手にとった設計による、ルイ・ヴィトン名古屋(1999)は日本初の独立路面店として成功した。

○「現代アートがムラとシマを変えた――越後妻有アートトリエンナーレと瀬戸内国際芸術祭の試み」

新潟県の山村で広域的に展開される越後妻有アートトリエンナーレ(2000~)、そして瀬戸内海の島々で展開される瀬戸内国際芸術祭(2010~)のアートディレクターとして、北川フラムは、アートそしてアーティストの力で、日本の風景のみならず、そこに住む人々の生活、そして日本のコミュニティをも変えてきました。その歴史を語ります。

日時2012年12月1日 (土) 14:00~15:30
会場岡崎市図書館交流プラザ3階/会議室301~303
ゲスト北川フラム(アートディレクター/アートフロントギャラリー代表)
進行役五十嵐太郎(あいちトリエンナーレ2013芸術監督)
定員150名
参加費無料(申込不要)
北川フラム
Fram Kitagawa

1946年新潟県生まれ。アートディレクター。アートフロントギャラリー代表。越後妻有アートトリエンナーレ総合ディレクター。瀬戸内国際芸術祭総合ディレクター。東京芸術大学美術学部卒業。「アントニオ・ガウディ展」(1978-79)、「アパルトヘイト否!国際美術展」(1988-90)「ファーレ立川アート計画」(94年度日本都市計画学会計画設計賞受賞)等をプロデュース。地域づくりの実践として、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(2009年度オーライ!ニッポン大賞グランプリ〔内閣総理大臣賞〕他受賞)。「水都大阪」(2009)、「にいがた水と土の芸術祭2009」、「瀬戸内国際芸術祭2010」等。2006年度芸術選奨文部科学大臣賞(芸術振興部門)受賞。2007年度国際交流奨励賞・文化芸術交流賞受賞。

○「アーティストの制作環境を考える――ロンドンの非営利団体ACME(アクメ)」

ジョナサン・ハーヴェイは、1972年からアクメ・スタジオをロンドンに創立。ロンドン市内にある使われていないスペースを、アーティストのアトリエや展示室へと変えて利用する組織の運営を行ってきました。縁の下の力持ちとして、ロンドンの華々しいアートシーンを支えてきた、その歴史を語ります。
※お詫び※
12月8日(土)に開催するトリエンナーレスクールのゲストに予定していたジョナサン・ハーヴェイ氏は、ご都合により来名いただけなくなりました。  そこで、ロンドン在住でハーヴェイ氏と深い関わりを持ち、アクメ・スタジオの活動にも詳しい下記2名をゲストとしてお招きすることとしました。(ゲスト以外の内容に変更はありません。)

日時2012年12月8日 (土) 14:00~15:30
会場愛知芸術文化センター12階/アートスペースE・F
ゲストジュリア・ランカスター(キュレーター/アクメ・スタジオプログラムマネージャー)
グラハム・エラード(アーティスト/ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校准教授)
進行役住友文彦(あいちトリエンナーレ2013キュレーター)
定員60名
参加費無料(申込不要)
ジュリア・ランカスター
Julia Lancaster

ロンドン在住。アクメスタジオ/プログラム・マネージャー。
フリーランス・キュレーター、コンサルタントとして25年間、アート教育、アート・マネージメントに従事。1996年からACME Studiosのレジデンシー&アワード・プログラムの拡大に主導的役割を果たしてきた。また、これらプログラムの参加アーティストを展示するギャラリー、ACME Project Space の運営・管理を務める。
South London GalleryやBearspaceなど多数の公立/コマーシャル・ギャラリーと共に活動を続け、現在、Peckham Space 顧問委員、西ロンドン建築センター Fundemental 理事長。ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)では、現代アートキュレーション修士コースの外部プロジェクト・コーディネーター。

グラハム・エラード
Graham Ellard

ロンドン在住。アーティスト。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校准教授。
現在、ジョナサン・ハーヴェイ氏(ACME Studios最高責任者)と緊密な協力関係で進めてきた共同プロジェクトKnowledge Transfer Partnershipの主席研究者。これは英国人文科学研究振興会の出資サポートのもと、ロンドンのアーティスト活動を支援する目的で、制作スタジオの形、機能、またその未来を考察し、その知識を人文系研究機関と実業セクターで共有し、その分野の発展をめざす。この研究成果は、ACME Studiosによる最新のスタジオ開発―ハイハウス・プロダクション・パーク―に結実している。
またアーティストとして、映画と建築の境界領域で、大型のヴィデオ・インスタレーションや16ミリ映画をステファン・ジョンストーン氏(ロンドン芸術大学ゴールドスミス校)とのコラボ制作で発表。MOCAシドニー,MOCAヘルシンキ、テイト・リバプール、ビクトリア&アルバート美術館など展示歴多数。

アクメ・スタジオ
Acme Studios

1972年創設。若手アーティストの活動を支援する英国チャリティー団体の大手。ロンドンを拠点に、(1)現地アーティストへのスタジオ貸出、(2)遠隔地からアーティストを招聘する滞在型制作スタジオの供与(レジデンシー・プログラム)、(3)各種アワードの授与を通じ、過去40年で延べ5000人のアーティストを支援してきた。早くから地方自治体やコミュニティーと連帯し、現代アートの地域開発への関与を押し進めてきたことでも知られる。

協力: プロジェクトALLOTMENT http://www.allotment.jp/

「美術と演劇のアヴァンギャルド」

アヴァンギャルドの興亡を振り返って見えてくる、演劇と美術、それぞれが秘めた「世界を変える意思」とは何か。2010年より演劇活動を行っているやなぎみわが、近年の作品を紹介し、あいちトリエンナーレでの新作の展望を語ります。

日時2013年1月19日 (土) 14:00~15:30
会場愛知芸術文化センター12階/アートスペースA
ゲストやなぎみわ(美術作家/あいちトリエンナーレ2013出品作家)
進行役小崎哲哉(あいちトリエンナーレ2013パフォーミングアーツ統括プロデューサー)
定員200名
参加費無料(申込不要)
やなぎみわ
Miwa Yanagi

兵庫県生まれ。美術作家。身体よりも記号化された制服が存在感を示す、1990年代の代表作《案内嬢》のシリーズに始まり、《マイ・グランドマザーズ》《グランドドーターズ》《寓話シリーズ》へと、やなぎのシリーズはとどまることなく、物語性や演劇性を取り入れながら、常に展開していった。2009年ヴェネツィア・ビエンナーレの日本館代表。近年は演劇公演を行い、『1924』三部作や、『PANORAMA』など、近代日本における諸芸術運動の成立・混淆をテーマとする作品を、美術館や劇場で上演。《案内嬢》のパフォーマンスプロジェクトも展開している。

「マダム・バタフライの家」

1904年にイタリアのスカラ座で初演されたプッチーニのオペラ「蝶々夫人」。長崎を舞台とするこのオペラでは、マダム・バタフライこと蝶々夫人が住む日本家屋が主舞台となります。現在、世界中で上演されるこのオペラの舞台デザインにおいては、この日本家屋をどう表象するかが、外国人も含めた演出家の共通課題となってきました。愛知芸術文化センターでの上演を前に田尾下哲が演出の歴史とその現在を語ります。

日時2013年2月2日 (土) 14:00~15:30
会場愛知芸術文化センター12階/アートスペースA
ゲスト田尾下哲(演出家)
進行役五十嵐太郎(あいちトリエンナーレ2013芸術監督)
定員200名
参加費無料(申込不要)
田尾下哲
Tetsu Taoshita

兵庫県生まれ。演出家。東京大学工学部建築学科卒業。同大学院学際情報学府修士課程修了。オペラ演出をミヒャエル・ハンペに学び、新国立劇場での外国人演出家助手や再演演出の他、日生劇場、二期会等でも演出を担当。野田秀樹、蜷川幸雄、紀里谷和明などのプロダクションに参加し、ジャンルを超えた活動を続けている。平成21年度五島記念文化賞オペラ新人賞受賞。

2012年度(4月~9月)はこちら