あいちトリエンナーレ

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2010.01.21

あいちトリエンナーレ2010現代美術展企画コンペ(アートスペース)の選考結果と選考委員講評

応募企画数

204企画(在住地:日本139企画 海外65企画)

選考結果

選考委員が1次選考(書類選考)、2次選考(プレゼンテーションとヒアリング)により、以下のとおり企画・展示する9企画を決定した。

江幡京子、孫遜(Sun Xun)、田中由紀子、陳維錚(Tan JuiChen)、ブライアン・アルフレッド(Brian Alfred)、水田紗弥子、宮川ひかる、リサ・マレイ・シュミット(Lisa Marei Schmidt)、ローレン・ベルコヴィッツ(Lauren Berkowitz)(五十音順)

選考委員講評

片岡真実
(森美術館チーフ・キュレーター)
個展であれテーマ展であれ、最終的には企画の意図が明確で、個人的であったとしても何らかの社会的な課題の喚起によって、グローバルに広がる今日の経済的、政治的な環境や日常へのより深い洞察が期待されるものが評価された。また、愛知県出身であるか否かに関わらず、レジデンスやリサーチを通して地域との関係性を構築しようとする姿勢も考慮した。そして何よりも、「あいちトリエンナーレ」という大きな枠組みのなかでも固有の輝きを放ち得る作品の芸術性の高さとコンセプトの意義深さを優先した。国際展の一部として採用された企画公募だが、水準の高いセレクションになったと思う。

小西信之(愛知県立芸術大学准教授)
選考は基本的に、1)企画意図が現代美術の今に照らして有意性を持つと考えられるもの 2)出品作品の質が高いことが期待できるもの 3)スペース、予算に照らして十分に実現可能であるもの という3点を基本に、各企画案の特色も考慮に入れて選び、最終的に選考委員3人の合議で決めた。「トリエンナーレを開かれたプラットフォームにする」という意向のもと行われたこの企画コンペは、ユニークな試みであり、選ばれた企画があいちトリエンナーレに、新たなエネルギーを注ぎ、「開かれたプラットフォーム」へ導いてくれることを期待している。

原久子(「あいちトリエンナーレ2010」アソシエイトキュレーター/大阪電気通信大学教授)
海外からの応募も約30%あるなど注目度の高さを感じた。応募書類で一次選考、二次では面接を行い、コンセプトが明解で、はっきりとしたビジョンをもって企画の実現に取り組んで頂けると評価した9組を選出するに至った。国際色豊かな面々は、愛知県で初めての大規模な国際展にふさわしいラインナップとなった。現代社会が内包するさまざまな問題・様相を表現するインパクトのある展観となることを楽しみにしている。