あいちトリエンナーレ2013では、美術の世界に積極的にチャレンジしようとしているアーティストやキュレーターに対して開かれたプラットフォームであることを目指し、長者町会場での展示プランを公募する「現代美術展企画コンペ」を実施しました。

 国内外から合計195企画のご応募をいただき、有識者等による選考の結果、11企画の展示プランが決定しましたのでお知らせします。


1 選考結果

(1)採用数 

   11企画

(2)採用企画 ※企画者(個人または団体)名の50音順。

 ・ASIT「寄木」

 ・EAT&ART TARO + 東山佳永「おしゃべりな氷屋『イチベ』」

 ・AMR(Art Media Room)「search for」

 ・Orrorin「インフォメーションセンター灯台」

 ・KARI CONTE「FIELDWORK」

 ・新藤君平「衣服の内側と外側(古川あいかを構成する)」

 ・タムラサトル「愛マシーン」

 ・長者町くん「長者町くん」

 ・増山士郎「毛を刈った羊のために、その羊の羊毛でセーターを編む」

 ・松藤孝一「ウランガラス」

 ・水野里奈「シュヴァルの理想宮を」

 ※50音順。企画者(個人または団体)名、「企画タイトル」順。

(3)企画内容 ※企画者(個人または団体)名、(在住地)、「企画タイトル」、企画内容の順。

①ARTISANビル1階通路、②丹羽幸株式会社ミクス館、③伏見地下街店舗

日程

企画

①ARTISANビル
1階通路

②丹羽幸株式会社
ミクス館

③伏見地下街店舗跡

 A日程
 (8月10日
  ~9月16日)

水野里奈(東京都)
「シュヴァルの理想宮を」

仏に実在するシュヴァルの理想宮を題材に絵画と絵画モチーフのオブジェを展示

AMR(Art Media Room)
(愛知県)
「search for」

作家3人による、「まちとの関係性」をテーマにしたプロジェクト

松藤孝一(愛知県)
「ウランガラス」

紫外線を当てると美しい蛍光を発するウランガラスによる作品を展示

 B日程
 (9月20日
  ~10月27日)

増山士郎(北アイルランド)
「毛を刈った羊のために、その羊の羊毛でセーターを編む」

アイルランドで失われつつある伝統的羊毛産業に着想を得たプロジェクト。写真と映像による作品を展示

新藤君平(東京都)
「衣服の内側と外側(古川あいかを構成する)」

古川あいかの過去作品を、インスタレーションとして再構成した展示

タムラサトル(栃木県)
「愛マシーン」

"愛"という形にベアリングとチェーンが組立てられ、"愛"という形に動く作品

 

④その他長者町地区内

日程

企画

展示場所

 A日程
 (8月10日~9月16日)

Orrorin(東京都)
「インフォメーションセンター灯台」

情報の振れ幅をテーマに、新たな情報基地が出現

伏見地下街店舗跡(※)

 B日程
 (9月20日~10月27日)

KARI CONTE(アメリカ)
「FIELDWORK」

名古屋での調査をもとに、土地の変遷について考察した三人展

伏見地下街店舗跡(※)

 8月10日~10月27日
 の主に土・日・月曜

長者町くん(愛知県)
「長者町くん」

長者町くんが、あいちトリエンナーレ2013長者町会場をPR

長者町地区内各所

 8月23日~10月20日

ASIT(三重県)
「寄木」

間伐材を再編して町の中に森をつくり、新たな風景を生み出す

調整中

 9月9日~9月16日

EAT&ART TARO + 東山佳永(東京都)
「おしゃべりな氷屋『イチベ』」

記憶と共に削られた氷を食べてもらいながら、祖父と孫の物語を聞いてもらう

調整中

 

(4)選考委員 ※50音順。

 ・倉方俊輔(大阪市立大学大学院准教授)

 ・豊島德三(長者町おじさん)

 ・丹羽幸彦(丹羽幸株式会社取締役会長)

 ・原久子(大阪電気通信大学教授)

 ・森司(「東京アートポイント計画」ディレクター/選考委員長)

(5)選考委員長 森司氏の審査講評

 「企画コンペ」ながら、いわゆる単独で作品として扱える類の提案が大半を占め、プレゼンテーションを聞き、企画意図を確認したくなるプランは、応募件数に比して多くなかった。さらに魅力的な提案の中には、実施可能に不安を抱かせるプランもあり、2次選考ではこの点に留意し11の企画を採択した。

 AMR(Art Media Room)の「search for」、Orrorinの「インフォメーションセンター灯台」、KARI CONTEの「FIELDWORK」、EAT&ART TARO+東山佳永の「おしゃべりな氷屋『イチベ』」、ASITの「寄木」、これらの作品は、事前に準備されはするものの、会期中、日を追って作品が形成され、あいちトリエンナーレ来場者が参加者として主体的に経験することで成立するプランだ。タムラサトルは新たに「愛」の文字の作品化に挑戦し、「長者町くん」が町を応援する。水野里奈、増山士郎、松藤孝一と新藤君平の企画は、コンセプトを含め作品としての完成度の高さから選定された。

 長者町のまちなかに展示・展開する作品を場との関係性を含め楽しんでいただけたらと思う。


2 公募の概要

(1)応募総数

   195件(国内177件、海外11か国18件)

(2)募集期間

   平成25年3月8日(金)~平成25年4月12日(金)

(3)募集内容

   現代美術に関する意欲的な展示プラン(自薦他薦による個展も可)で、未発表のオリジナル企画。

(4)展示期間

   A日程 平成25年8月10日(土)~9月16日(月・祝)【38日間】

   B日程 平成25年9月20日(金)~10月27日(日) 【38日間】

   ※「④その他長者町地区内」での展示の場合は、展示プランによって主催者が実施期間を決定。

(5)展示場所

   長者町地区(名古屋市中区錦二丁目周辺)

   ①ARTISANビル1階通路

   ②丹羽幸株式会社ミクス館

   ③伏見地下街店舗跡

   ④その他長者町地区内(特定の場所を指定しない、自由な発想の企画を募集)


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