パフォーミングアーツ

サミュエル・ベケット (Samuel BECKETT)

1906年、ダブリン(アイルランド)生まれ。フランス語と英語で書いた劇作家・小説家・詩人。『モロイ』に始まる小説3部作でヌーヴォー・ロマンへの道を拓き、『ゴドーを待ちながら』(1953年初演)によって不条理演劇の巨匠と認められる。新しいメディアにも関心を寄せ、テレビやラジオ作品も創作・発表している。1969年、ノーベル文学賞を受賞。現代文学を革新したジェイムズ・ジョイスの助手を務め、現代アートの父マルセル・デュシャンとはチェスを通じての交流があった。1989年、パリにて死去。上映中の『クワッド』は、ベケットが晩年(1981年)に発表したテレビ作品。マントに身を包んだ4人のパフォーマーが、正方形の各辺と対角線の上を、ある規則性に基づいて早足で歩き続ける。哲学者ジル・ドゥルーズは「ベケットのテクストはまったく明確である。空間を消尽することが問題なのだ」(『消尽したもの』宇野邦一訳)と書いている。

photo: Yolanda Romero Guerrero
作品 『クワッド』
会場 愛知芸術文化センター・小ホール周辺

見どころ

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ベケットが晩年に発表したテレビ作品。マントに身を包んだ4人のパフォーマーが、正方形の各辺と対角線の上を、ある規則性に基づいて早足で歩き続ける。哲学者ジル・ドゥルーズは「ベケットのテクストはまったく明確である。空間を消尽することが問題なのだ。(中略)人物は正方形の四隅、四つの辺と対角線の上で、実現し、疲労する。しかし彼らは正方形の真ん中、対角線が交わる所で完了し、消尽するのだ」と書いている(『消尽したもの』宇野邦一訳)。
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