1933年東京都生まれ。東京を拠点に活動。
独学で美術を学び、1950年代半ばからアンデパンダン展に出品。それまで主流であった絵画表現を否定するアヴァンギャルド絵画の旗手として登場した。筆触のない乾いた線による線描と、シンプルで鮮やかな彩色の組み合わせが特徴である。彼の画業の中に繰り返し登場する人物のユニークなキャラクター作りも含めて、社会や文化に対する辛辣な批評を織り込んだ絵画をエネルギッシュに作り続けてきた。2011年に渋谷区立松涛美術館で開催された個展「空襲25時」は戦争を主題としていた。中でも、大作《 ころがるさくら・東京大空襲 》は、2001年にニューヨークで起こったテロ攻撃9?11を契機にして、彼自身が描くことを封印していた、少年時の自らが観た1945年の東京大空襲を描いたもの。同じモチーフが執拗に繰り返されるその画面上には、同時に歴史上のさまざまなテキストや事件名が描き込まれている。繰り返し描かれたモチーフとその細部に幻惑される体験と、読書体験のように文字を読みこんでいく知性的な体験とが鑑賞者の中で共存する。
《 ころがるさくら・東京大空襲 》 2006 渋谷区立松濤美術館「空襲 25時」展(2011)での展示風景 photo : 椎木静寧 courtesy of the Shoto Museum of Art |
展示会場 | 愛知県美術館 10階(A-04) |
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作品情報 ・《作品名》 ・制作年 ・上映時間 (映像作品のみ) ・所蔵 |
《ころがるさくら・東京大空襲》 2006 作家蔵 |