現代美術

作品・展示会場情報

青野文昭(あおの ふみあき / AONO Fumiaki)

1968年宮城県生まれ。仙台を拠点に活動。

リアス・アーク美術館や宮城県美術館などで作品を発表してきた。1990年代から海岸の漂流物など、さまざまな場所で壊れたモノの欠片を拾い、「なおす」と称し、それを補完する制作手法を継続している。だが、青野は再び使えるモノとして正確に復元するわけではなく、「修復」を通じてむしろ使えない異物に変容させてしまう。近年は異種混成的な補完も展開している。自身も少なからず被害を受けた東日本大震災の後は、自宅近辺や親戚宅、馴染みの場所をはじめとする被災物件からでた瓦礫を用い、様々なアプローチでその「補完」を試みることにより、あるべき再生の姿を探索している。しかし、別の用途に役立つリサイクルでもなく、機能しない何かを「創造」する姿勢は変わらない。震災という歴史的な事象は彼の作品の意味を変えた。震災前から震災後的な制作を変わらず行っていることも特筆すべきである。

  《なおす・代用・合体・侵入・連置-震災後の石巻で収拾した廃船の復元》2012
courtesy of the artist
展示会場 愛知県美術館 10階(A-09)
作品情報
・《作品名》
・制作年
・上映時間
(映像作品のみ)
・所蔵
《なおす・代用・合体・侵入・連置(震災後東松島で収集した車の復元)2013》 2013 作家蔵
《なおす・代用・合体・侵入・連置(震災後石巻で収集した廃船の復元)2012》 2012 作家蔵
《なおす・代用・合体・侵入(震災後宮古で収集した衣料店床面/テーブル)2011》 2011 作家蔵
《なおす・復元・宮古・鍬ヶ崎(震災後宮古実家跡地より収集した記念時計より)2011-1》 2011 作家蔵
《なおす・復元(震災後閖上で収集したカセットテープの復元)2012》 2012 作家蔵
《なおす・復元・宮古・鍬ヶ崎(震災後宮古実家跡地より収集した教科書より)2012》 2012 作家蔵
《なおす・復元・荒浜1997、3,10-2(無縁の修復)》 1997 作家蔵
《なおす・復元(赤い矩形の復元)2001》 2001 作家蔵
《なおす・代用・合体・連置・(震災後ゆりあげで収集したペットボトルの復元)(回向するかたち)2012-1》 2012 作家蔵
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