2016

あいちトリエンナーレ2016の特徴について、港芸術監督が説明します。

虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅

トリメモ

花祭 豊根村、上黒川 2015

旅する人間というテーマにちなみ、今回のトリエンナーレでは移動、横断、越境といったダイナミックな創造のあり方がクローズアップされます。いくつか特徴をあげると、ひとつは地球をカバーするような地域的な拡がり。アジア太平洋地域はもとより、中南米や中近東といった日本から遠い国々からも数多くのアーティストが参加します。アーティストの出身地、生活する場所、活躍する都市の名を記してゆけば、まったく未知の地図ができるでしょう。ジャンルを横断した新しい表現の試みも特徴で、国際展でも舞台芸術でも伝統と革新を超える作品が登場します。芸術を総合的にとりあげる、あいちトリエンナーレらしいプログラムです。また「コラム・プロジェクト」によって、より深く掘り下げる内容の展示が行われます。たとえば北海道と沖縄のアーティストが参加する「交わる水」、現代写真の先端的表現を扱う「トランスディメンション」などが、これまでの芸術祭とは異なる形式と内容を提案しつつ、参加者を創造の旅へと誘います。

あいちトリエンナーレ2016芸術監督
港 千尋

あいちトリエンナーレ2016の特徴

交わる水-邂逅する北海道/沖縄

『交わる水-邂逅する北海道/沖縄』
辺名地ANNEXギャラリー屋上、沖縄本部町

トランスディメンション-イメージの未来形

『トランスディメンション-イメージの未来形』
横田大輔 《Matter》展示風景 「Trans-Tokyo / Trans-Photo」集美×アルル国際フォトフェスティバル、厦門、中国 2015
© Daisuke Yokota, Courtesy of G/P gallery, Tokyo

リビジウンガ・カルドーゾ

ポンディシェリ(インド)

あいちトリエンナーレとは

2010年8月に世界の先端的な現代芸術を紹介するあいちトリエンナーレの第1回を名古屋市内でスタートしました。建畠晢芸術監督のもと「都市の祝祭」をテーマに掲げ、美術館や劇場だけではなく、まちなかでも展開を図りました。斬新な芸術と身近に触れ合うことで、日常的な生活の場所をわくわくした非日常的な空間に変貌させることを意図し、その祝祭感溢れる展開で57万人を超える方々にご来場いただきました。

第2回は、五十嵐太郎芸術監督のもと「揺れる大地-われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活」をテーマに、2013年8月から10月にかけて開催しました。2011年3月に発生した東日本大震災を受け、既存の枠組みが大きく変動する時代を意識したテーマのもと、国内外122組のアーティストが参加しました。名古屋市以外に岡崎市を会場に加えたり、「建築」の視点を導入することにより、祝祭感に満ちたトリエンナーレを変化・成長させ、第1回を上回る62万人を超える方々にご来場いただくことができました。

第3回は、港千尋芸術監督のもと2016年夏から秋にかけて開催します。あいちトリエンナーレ2016にどうぞご期待下さい。